プロローグ
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ったのに運がいいなんて……」
「すまない。言葉を間違えたな。悪運が強いと言っとこう」
「はぁ………」
助手がため息を吐いて呆れられたのだろうか。その時顔を前に向けると、一人の女性がこちらに歩み寄ってきた。
「どちら様でしょうか? 」
「……ここに運ばれて生き残った人はどこですか? 」
出来るだけ丁寧に聞くと、女性は唐突にそんな事を言ってきた。
「申し訳ありませんが、知らない方には教えられません。今はこのような状況なので、ご理解いただけますか? 」
「それもそうですね。けど、私はその子の事を頼まれて来ました」
「頼まれたとは…誰に? 」
「今病室にいるであろう子の母親からですよ。その友人です」
「なるほど。でも失礼ながらあなたの名前をお聞きしてよろしいでしょうか?ああ、私は院長のタカナシです」
「私は玲奈孤児院院長のレイナです。彼女の息子……●●君を引き取りに来ました」
レイナと言っていた人は孤児院の方だったらしい。それに少年の名前は●●というらしい。
「……ではこちらに。ですが、まだしばらくの間は入院はさせます」
「構いません。●●君は、私の親友の息子です。きちんと元気になってもらいたいですから」
「そうですか。ではこちらに……」
先ほど出たばかりだから、あまり間もないのに入るのは一瞬気が引けたが、構わず扉を開ける。
●●と言われた少年は、いまだに輸血をしていてベッドの上で横になっていた。まあ寝ているようだが。
「…………こんな子が命を落としかけて、酷い目にまであって…」
「だからこそ、私達大人がしっかりと支えるんですよ。この少年だけではない。全ての子供達のために、未来へのみちしるべを創っておくんです。レイナさん。●●少年を頼みましたよ」
「……はい」
ーーー−−
約二週間後、俺は退院して玲奈孤児院という所に引き取られた。退院当日に、レイナという人が俺を迎えに来ていて、何がなんだが分からないまま連れてこられてるという状況だ。
「レイナ…だっけ?何で俺を引き取ったんだ? 」
「親友に頼まれていたんです。だからあなたを迎えに来たの」
「親友に頼まれただけで、自分の事とかが全くわからないオマケに、記憶喪失までしている俺を引き取るのかよ。それに院長にも薬を大量に渡されるしよ」
「…………やっぱり────で多少変わったのね…」
「あ?今なんて言ったんだ? 」
「なんでもないです。そんなことよりも着きましたよ」
車が止まって二人で降りる。そのまま孤児院の中へと連れていかれた。
「今日からここがあなたの家よ。そして、この子達があなたの新しい家族よ」
孤児院
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