プロローグ
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……………あれ?ここはどこだろう?しかもなんか体が動かないような………。
なんとか開いた目で周りを見ると、そこは病室だとすぐに理解し、そしてベッドの上でよく患者の口元に被せられている物を付けられ、ベッドの近くには赤色の液体が入っているパックに繋がれたチューブから自分の左腕に刺されていた。
「あっ!目を覚ましたよ! 」
「よかった…。大丈夫か少年? 」
「……はい…」
「そういえば一つ聞くが、君の名前はなんだね?急遽運ばれたため、名を知らされてないんだ。教えてくれると助かる」
「俺は………
わかりません…。そもそも、なんで俺はこんな状態になっているんですか? 」
「「!? 」」
「院長…これは」
「ああ。どうやら……記憶喪失みたいだな」
記憶喪失?記憶喪失ってあの記憶喪失の事か?
「少年。いくつか質問がある。まず一つ。自分の事で何か一つでも覚えているか? 」
「……いいえ…」
「もう一つ。君は何か夢、または思い出とか覚えているか? 」
「……っ!…いいえ…」
この事に関しては、何か思い出そうとすると頭が痛くなった。しかし、やはり思い出せない。
「もう一つ。送られてきたところ学生だったから、この問題は分かるだろうか? 」
紙を見せられると、そこにはわり算が書かれていた。
「3/2…」
「ふむ。よし分かったぞ。少年。君は自伝的記憶、それとエピソード記憶が欠落している」
「………」
「しばらくの間は安静にしてるように。それと十二時になったら絶対にこれを飲むように。分かったかい? 」
俺は何も言わず頷き、院長が錠剤を近くのテーブルに置いて病室から出ていこうとすると、入り口らへんで止まり振り返ってきた。
「そういえば、胸に痛みや苦しみとかはないだろうか? 」
「?ないですけど? 」
「ならいい」
それだけ言うと病室から出ていった。一体なんだってんだ?
「………院長。ちゃんと伝えなくていいんですか? 」
「送られた人の中で、生き残っていたのは二人。その内一人は運ばれてすぐに死亡。結果あの少年だけが生き残った……そんな残酷な事は伝えない方がいいだろう。それに」
「知らない方が幸せな事だってある……ですか」
「そうだ。それと、あの少年は──病……────────症を患っていた。少年は不幸中の幸いか、────を起こしすぐに死んでもおかしくないのに、この病院まで命をとりとめ、身近に適性値が異常に高い───がいた。少年はある意味運がいいな」
「あんな事があ
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