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気さくな鬼
1部分:第一章
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声に返しました。
「ここは一体何処だ。隣の国に行きたいのだが」
「隣?紀伊にかい?」
「そうだ。紀伊に行きたいのだが」
 方便でこう声に答えた十郎でした。
「どうして行けばいい」
「ああ。紀伊ね」
「そうだがどうすればいいのだ」
「嘘でしょ」
「何っ!?」
「おじさん紀伊に行きたくないよね」
 声はです。こう重太郎に言ってきたのです。
「それに山伏じゃないよね」
「御主、まさか」
「僕を退治しに来たんだよね。気配でわかるよ」
「なら話は早い。それではだ」
「まあ待ってよ」
 声は楽しく笑っている声で重太郎に言ってきます。
「僕は別に悪い奴じゃないよ」
「そんな話が信じられるか。御主は鬼だな」
「うん、そうだよ」
 姿は見せません。けれどです。声は重太郎の問いにその通りだと答えてきました。

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