暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第37話 封印の鍵を求めて
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魔人……が」
「はい……間違いないと思われます」

 そう、魔人の存在だ。
 魔人とは魔王の血の一部を分け与えられ、生物・非生物が著しく強化された存在だ。著しくと言葉にすれば短いがその強さは人間とは比べ物にならないものであり、現段階で確認されているのは、24人はいるとの事。

「人間に従っている。いや、手を組んでいると言う時点で、解せない。だが、それ程の芸当が出来ること、かなみが直接見たという事を含めたら間違いないと言わざるを得ないな。中々に厄介な相手だ」

 ユーリはそう言うと立ち上がった。

「それで……ユーリさん、私は……」
「言いたい事は判ってるさ。大丈夫だ。……オレは手を貸す事には惜しまない」
「っ……」

 即答をしてくれたユーリ。嬉しい反面、本当に良いのかとも思ってしまった。今回は相手が巨大すぎるから……。

「心配しなくて良いさ」

 ユーリは俯き気味のかなみの頭を軽く叩いた

「偽善だと思うか? それらしい理由が欲しいか?」
「い、いえ! ユーリさんの事をそんな風になんて思うはずも……」
「ああ、そう思ってくれてるのは嬉しいよ。かなみは大切な友人だ。助ける事は惜しまない。それに、リーザスが落とされた以上 ここも安全とは言いがたいからな」

 ユーリはそう分析もしていた。相手の目的はまだ確定ではない。

 かなみの言う魔人の目的はカオスと呼ばれる何からしい。だが、ヘルマン側の進行がリーザスだけで終わるとは思えないのだ。近隣の町や村、自由都市にも及ぶ可能性も十分にありえる。

「ユーリさん……宜しくお願いします」
「ああ、任せておけ。……次はアイツだな。まぁ一筋縄ではいかないと思うが」
「ゔ……確かにそうですが、リア様が待っているんです。何としても協力してもらわないと、リア様が可哀想です……」
「そうだな。国の存亡時に出てくる名前だ。それ程にまでランスの事を想ってるのは……まぁ、オレからしたら一目瞭然だったから、不思議じゃないが」

 ユーリは、リアのランスの惚れ込み様もしっかりと見ている為、納得は出来ていた。それでも、国家の危機でランスの名前が出るのは凄い事だろう。……ユーリの名前も出ていたのだが、かなみは伝え忘れていたようだ。

「あ、あの……ユーリさんの事も……」
「ん? まぁ アイツと一緒にいた期間での出来事だったからな。それでだろう?」
「う……」

 かなみは説明をしようとしたが……、リアとマリスに言われた事を言うわけにもいかない為、黙っていた。

「兎に角、ランスの所へ行こうか。さて、ヒトミ」
「うんっ!」
「元気良く返事をしてくれたのに悪いが、今回は留守番を頼めるか?」
「ええーーっ!!」

 ヒトミは驚き声を上げていた。
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