第3章 リーザス陥落
第37話 封印の鍵を求めて
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な事を言わずに引き受けてくれたと言いたかったが、矛先がユーリの方に向かってしまうと考えたかなみは、寸前で口を噤む事が出来たっようだ。
「ランス様……可哀想ですよ。なんとか力になってあげましょうよ。このままじゃ、王女様が……」
「ヘルマンや魔人ごとき、。オレ様の敵じゃないが、やだ!」
「あ、そうだわ! かなみさん、リア王女を助けると沢山、ご褒美がもらえます……よね?」
「む?」
シィルのそのナイスパスを受けたかなみは、こくりと頷く。ランスの事に惚れているリアだ。今回の事が無くても、金くらいなら喜んで差し出すだろうとも思えるのだ。
「あ……! はい! それは勿論です。リア様を救って下さった暁には、ランスに沢山の財宝を用意させていただきます。約束できます」
「ほうほう、財宝は当然、一生遊んで暮らせるだけをもらおう! そうだな……、来年のリーザスの国家予算の七割くらいが妥当だろう」
「……一般人で七代は遊んで暮らせると思うぞ? 大国リーザスの国家予算だったら」
「がははは、オレ様は一般人の常識では計れないのだ!」
「ま、そりゃそうだ」
ユーリは一応つっこんではいたが、ランスのセリフには十分すぎるほどに説得力があったから黙った。
「あ〜あと、それと何か決め手になる物が無いと動く気にはなれないな。う〜〜ん、もう一押し無いとオレ様は動かないぞ〜?」
ランスはイヤらしい顔をしつつ、かなみの身体を嘗め回すように見た。……見られたかなみは、大体を察する。ランスが何を求めているのかは……この男の性格を考えれば直ぐに判る。
シィルも、思惑から大分外れてしまい焦っていた。
ランスの事が好きな彼女からしたら、他の女の人と行為に及んでしまうのを見るのは辛いのだから。
「う……わ、わたしは……」
かなみは言葉に詰まる。
国の事を、リアやマリスの事を考えたら選択の余地など端から無い。でも……自分の貞操は、好きな人と、そう思うのは皆同じ事だろう。だからこそ……嫌悪感は拭いきれないのだ。
何より、その好きな人というのが直ぐ傍にいるのだから。
「……まぁ、ぶっちゃけると、ランスがいかないって言うのなら。別にオレ1人でも問題は無いがな。最近はバッティングしていただけだし」
「……なにぃ??」
ユーリの言葉に、少なからずかちんと来たようだ。何を言い出すのかと、シィルとかなみは驚きながらユーリを見た。
「ただ、良いのか? ランス」
「何がだ! 下僕の癖に偉そうに」
「だから誰が下僕だっての。……リーザスには、お前さんの好きな女の子は沢山いるぞ? そのコたちが、ヘルマンの兵達に襲われてるかもしれないなぁ……」
「む……」
ランスは、腕を組み考え込んでいた。金とかよりこの方が一番効果
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