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異世界系暗殺者
仲間の時間(2016/05/16 一部修正)
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……まぁ、何はともあれ、触手タコの指示のお蔭で俺達全員、銃使いのおっさんとの距離を最前列から3列以内まで詰めることができた。さて。一応王クラスの暴風族(ライダー)でもある銃使い相手に、触手タコはどうやってチェックメイトを掛ける?


「これで近接戦担当の配置も完了しました。では、そろそろ狙撃の時間です。千葉君。次に先生が指示した後、君のタイミングで撃って下さい。速水さんは状況に合わせて千葉君のフォローをお願いします。
他の皆さんはモバ律さん経由で2人の邪魔にならない様、自由に動いて下さい」


触手タコがそう指示すると同時に、モバ律によってスマフォにコンサートホールの全体図と全員の配置が表示された。しかも、トリック・パースの様な最短ルートのおまけ付だ。


「と、その前に感情をあまり表情に出さない仕事人の2人にアドバイスです。君達は今、凄く緊張しているでしょう。先生への狙撃が失敗したことで自分達の技量に迷いが生じている。
普段から言い訳や弱音を口にしない君達です。周りから勝手な期待を押し付けられたり、苦悩していても誰にも気付いて貰えなかったでしょう」
「「…………」」
「しかし、それは昔の話です。今は違う。この場には同じ訓練を行ってきたクラスの仲間がいます。失敗した時は狙撃手を代えればいいだけの話です。2人がプレッシャーを抱え込む必要はありません。
いざとなれば空と石の人が如何とでもしてくれます。失敗を恐れず、仲間を信じて気楽にやってみましょう」


俺は異様に耳がいいから、このコンサートホール程度の広さなら客席が満員でも普段から聞き慣れているクラスの奴らの心音を聞き分けることくらいは容易だ。

で、聞こえてくる龍之介と速水の心音から察するに、2人とも触手タコのアドバイスで緊張が解れた様だ。これなら失敗する可能性も低いだろう。が、失敗した時のフォローがほぼ俺と烏間先生だけってのは解せぬ。


「では皆さん、いきますよ。出席番号12番!立って狙撃!!」


触手タコが指示を出すと同時に銃を持った影が客席下から立ち上がる様に飛び出し、それから1秒も経たない内に俺も飛び出した。

飛び出した俺の視界に最初に入ってきたのは、俺より先に飛び出した影に銃を向けている銃使いのおっさんの姿だった。

ちなみに俺より先に飛び出した影の正体は、菅谷が作ったダミー人形だ。出席番号12番は菅谷の番号だからな。恐らく、待機している間にダミー人形を作ったんだろう。

ダミー人形は見事にヘッドショットされている。流石はプロの元軍人。しかし、撃ち抜いたのがダミー人形ということもあって、銃使いのおっさんは固まってる。

当然、俺達はその隙を見逃す様な間抜けじゃない。銃使いのおっさんから見て斜め右方向の客席から龍之介
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