暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第180話 過去の闇
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の試合を見ていると言う事だ。……だから、間違いなく全ての戦いを今見た様な戦い方で制しているらしい。そんな戦い方をするプレイヤーは第1、2回のBoBには1人もいなかった。
 予選会場である、待機ドームでもどよめきが響く。

「……彼と彼が、今回の予選の台風の目だと思うよ、シノン」

 シュピーゲルは再び指をさした。その先に居るのは、もう1人の男。……よくよく考えたら、2人とも女の容姿だけど、それはこの際置いておこう。

 シノンは、キリトの戦いも見ておきたかったけれど、もう1人、リュウキの戦いも見ておきたかった為、僥倖だと言えるだろう。だけど、試合に動きは無いみたいだった。

 それでも、ライブ中継は彼を捉え続けている。

「なんで? 交戦してる訳でもないのに、ライブカメラは アイツを映してるの?」

 シノンが疑問に思って、シュピーゲルにきいていた。シュピーゲルは、振り返らず、単調に答えた。

「それは、彼の戦い方も異常だからさ。……銃の世界なのに、体術を使った接近戦を主としている。……彼の仲間だ、って事がよく判る戦いだよ。ただ、光剣とハンドガンじゃなくて、ナイフとハンドガンだから、条件を考えたら、彼の方がもっと不利な筈、なんだけどね」
 
 そう言った。

 つまり、こうだ。あの男の戦いは、他のマシンガンを乱射して、バリバリの戦争をしている試合を映すよりよっぽど絵になる戦いを披露しているらしい。まだ、戦いが始まっていないのに、その中継カメラで追いかけないといけない程の戦いを。

「………」

 シノンは息を飲んだ。
 そんな戦いをあの時の彼がするのだろうか? と。そして、是が非でも見てみたいと思った。体術もそうだが、それ以上に彼の戦いを一目。

「っ!!」

 そんな時だ。
 待機ドームに大きなどよめきが沸き起こった。

 中継カメラが捕らえたのは、リュウキが戦っているステージの中央の開けた広場にいた戦車だった。


「え、M1戦車!?」


正式名称。

□ M1エイブラムス。

 現実では、アメリカ合衆国が開発した主力戦車である。


 因みにこの世界、BoB予選でも希に、各ステージには固定砲台、とも呼べる代物が設置されているモノがある。それは、銃座であったり、砲座だったり……そして、この兵器だったり。だが、それは著しく公平さに欠けるモノ。

 自分がカスタマイズし、ある意味育ててきた銃ではなく、ステージにあらかじめ置かれている兵器を使うのだから。

 だが、それが出現するのは稀も稀。
 GGO世界でも中々お目にかかる事ができず、出来たとしても、壊れてしまっていて、オブジェになってるモノばかりだ。だから、ソレを使う事が出来た者は、《ツイている》としか言えな
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