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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第180話 過去の闇
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は接近戦に持ち込まれたら、太刀打ちできない。
シノンの唯一の勝機は、道路で4分割されたステージにあった。其々、ブロックからブロックへと移動する為には、絶対に中央の十字路を通らなければならない。
「…………ふぅ」
シノンの意識は再び氷となる。必中の一撃を入れなければ、敗北。だが、そんなプレッシャーがどれ程のものだろうか?あの男と対峙した時に比べたら、まだ生ぬるい。
そして……忌まわしいあの過去に比べたら……何でも無い。
この大会で自分が倒さなければならないのは、あの2人の男達なのだから。こんな所で躓いてはいられない。
時間がぎゅっと凝縮される。
1秒が、まるで何10分にも感じられる。そんな時が止まったかの世界で、シノンは2人の戦いぶりを。片方は乱暴な離れ業で……そしてもう片方は逆に鮮やかと取れる神業とも言える戦い。それを思い返していた。
――……彼を見送った後、シノン自身も次の予選ステージへと運ばれた。
どうやら、予選の2回戦での相手はまだ初心者に毛が生えた程度らしく、ステージは、狙撃手にとって有利とも言える、見通しの良い、荒れた山岳地帯。
相手の名前は《ブルズ》
ブルズは、狙撃手相手だと言うのに、更には高低差があるにも関わらず、身を隠す事もせず、対戦相手は堂々と正面突破を測ってきた。
それを見たシノンは軽くため息を吐きつつ。洗礼が必要だろうと思い、その引き金に指をかける。
そして熟練者は地の利を活かし、頭上から、
頭撃ち
(
ヘッドショット
)
。
開始から2~3分でケリが付くと言う、これまでの戦績でも最速記録を叩き出した。
だが、こんなものは何ら自慢にはならない。ただ、赤子の手をひねる程度にしか思っていない。初心者狩りと言う行為の卑しさを知っている自分だからこそ、そう思えていた。
そして、予選会場へと戻った時、丁度2人の男の片割れ、キリトが戦っている所を見たんだ。
それはまさに鬼気迫るとでも形容したくなるほどの、捨て身特攻戦法。
アサルトライフルを乱射するAGI型相手に、あのファイブセブンで応戦しつつ、正面突破。放たれたライフル弾は、着弾しながらも、あの光剣で切り落とすと言う離れ業もやってみせた。そして、距離をゼロに詰めた途端に、その対戦相手の身体を、ライフル事叩っ斬ったのだ。
荒々しく乱暴、そして無茶苦茶。シノンの中に、それらが浮かんでいた。
その戦いを静かに観戦していたシュピーゲルは、隣にシノンがきた事が判った様で、呟く。
「彼、ずっとあんな感じで戦ってるよ」
そう、言っていた。シュピーゲルは、今日はここには観戦を目的としている。つまり、全て
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