暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第180話 過去の闇
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の温度の中に、通常では感知などできる筈もない、不明確なモノ。


――……負の感情、とでも言えばいいだろうか?


 それが、リュウキの中に宿っているかの様にも感じていた。










〜予選Fブロック〜



 シノンは、右手の全体にかすかな疼きを感じて、眉をひそめた。
 それをシノンは左手で擦り落とそうとするが、チクチクと刺激する感覚は中々去ろうとはしない。……原因は判っている。

 リュウキの肩に手を触れた時だ。

 飄々としてて、キザったらしさも醸し出し、常に余裕の表情を崩さない新参者。新参者といえば、もう1人もそうだ。無礼で不遜、図々しいキリトもそう。

 シノンはリュウキの肩に手を触れた。
 そして、彼の異様な冷たさを感じたすぐ後、彼は次の予選ステージへと消えたのだ。最後まで、その表情を見る事なく、消え去った。だけど、その表情が一体どんな種類のモノなのかは、判った気がしていた。

 あの後、何があったのか、知りたいと思えた自分が不思議でならなかった。何故、他人に……、戦う為に、強くなる為に、この世界で戦い続けていると言うのに、なんでこんなにあの男の事が気になるのかが、判らない。

 だから、シノンの脚は自然に、キリトの方へと向かわせた。

 何かがあったのなら、もう1人、知り合いであるキリトなら、知っていると思ったからだ。幸いな事に、キリトはまだ予選ステージには行っておらず、中央部付近にとどまっている。それを見つけたシノンは、キリトに話しかけようとしたのだが……、出来なかった。その時に見た彼の横顔は、……リュウキにそっくりだったから。

 心に引っかかる何かを抱えたまま、シノンは戦場に立った。

 まだ、右手に残る感覚はきえない。あれから、1時間以上たったというのに。

「……っ」

 シノンは、ギリっと歯を食いしばり、感覚を消去する事を諦め、その右手を対物狙撃ライフルの引き金に添えた。


 このステージは《曠野の十字路》


 乾燥した高地の中央で、2本の直接道路が交差している地形。

 そして、対戦相手の名前は《スティンガー》。
 この戦いに勝てば、次の決勝がどうであれ、BoB本戦。バトルロイヤルへの出場権が得られる。だが、流石にここまで勝ち抜いてきただけあり、強敵だった。名前から察するに、携行型地対空ミサイルだ、と思えるのだが、どうやら違う。

スティンガーが装備している武器。


□ FN・SCAR カービンライフル。

 使用者の腕に追従する様に、危険な武器だ。
 装着された高性能ACOGスコープが、そのアサルト・カービンライフルをの集弾率をかなり上昇させている事だろう。つまり、単発式であるシノンのライフルで
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