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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第180話 過去の闇
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る寸前だった、と自分自身でも判る。確かに、あの時、皆に、キリトに助けたもらった。

 それでも、その爪痕は確実に心に残っている。新たな闇となって、心に残っている。だけど、その闇は消せるものじゃないし、……消してはいけないモノだ。生き残った者の責務でもあるのだから。

 幾つモノ傷を負ってきた。それは失ってしまったり。或いは、奪ってしまった事で、沢山心に傷を負ったんだ。リュウキは、1人になった事で、それを強く、強く思い返してしまっていた。

「……はぁ、なんて顔してんのよ」

 眉をひそめてそう言う。いつの間にか、目の前に彼女が立っていた。


――シノン、だった。


 リュウキは、ゆっくりとその顔を見た。シノンの鮮やかなショートヘアが揺れているのも見えた。


――ほら。……他人から見たら、オレを見たら、今のオレは酷い顔なんだよ、キリト。……オレだって同じだ。……強くなんか無い。ただ、虚勢を張っているだけに過ぎない。


 リュウキは そう思うと、何処か笑えた。

「……そんなにギリギリの試合だったの? その割には、随分と早く戻ってきた見たいだけど。……あの変態と一緒に」
「いや、何でもない。……それに、そろそろ名前で読んでやってくれ。キリトだ」
「ふん。……ってそんな事より、たかが1回戦でそんなありさまじゃ、決勝なんて夢の又夢よ。……私、あんたたちから貸しを取り立てないといけないんだから」
「直接的な貸しは、無い筈……何だがな」

 リュウキの嘲笑を見て、先ほどの彼とは思えない。とシノンはこの時察した。この男は、何時も落ち着いてて、何処か余裕があって、……いけ好かない。そんな佇まいだった筈だ。

「……同じ事よ。あんたからだって、色々と聞きたい事だってあるんだし。……頭をすっとばした後で聞きたいんだからね」
「………」

 リュウキはもう、返す事が出来なかった。何故、だろうか。……思い出したから、だろうか?

「……本当にどうしたの?」

 シノンはその姿を見て、察した、と言う印象から、確信へと変わった。
 彼を纏う不穏な気配。それは、離れているのにも関わらず、その身体の芯に居座っている何かの温度を感じた気がした。暗く、冷たい何か。……自分が求めている冷たい氷。それとは全く別の次元の温度だった。

 思わずシノンは、リュウキの、彼の肩に手を触れた。

 この時、なんで触れたのか……判らなかった。そもそも、自分からもう触れるつもりは無かった。でも、何かが彼女を動かしたのだ。

 その肩から感じるのはアバターの温もり、通常であれば、それだけの筈だった。小刻みに震えているのを感じ取れた。……そして、通常のアバターの体温は温かい筈なのに、手から得られた温感は、冷たい、そして、そ
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