暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第178話 第3回BoB予選開幕
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そうなったら、剣にも分はあるだろ?」
「……さぁ、どうかな」

 2人のやり取りを見ていた彼女は、割り込む様に顔を前に出した。

「……どっちがきたとしても同じ。それに、こうして話すのは今日が最後だろうから、ここで名乗っておくわ。――それが、いつかあなた達を倒す者の名前」

 彼女がそう言うと、2人の前に文字が表示された。

――《Sinon》。

 勿論性別は《F》。

「「シノン」」

 リュウキとキリトが呟くと、彼女、シノンは頷いた。そして、改めて名乗る。

「キリトだ。宜しく」
「……リュウキ」

 無意識の動作で、キリトは卓上に右手を差し出したが、シノンと言う名の少女は、当然の様に無視し、ぷいとそっぽ向いた。リュウキは、眼を瞑っていたが、ゆっくりと開け。

「今日が最後なら、合わせる事ができないな? 初老の彼に」
「っっ!! こ、言葉の綾よ! ちゃんと約束は守んなさいよ!」
「……はいはい」
「はは……」

 キリトは、苦笑いを続ける。


――この手の者を相手にするのに、適してるな?この男は。


 と思った様だ。
 何処か、あの世界のシルフの大魔法使いに似ている気がするとも思った。


 暫くじゃれていたと思いきやシノンは、もう黙ってしまった。口をしっかりと閉じる。……何処か、楽しんでいる様な気配がしたから、と言うのが一番だった。

 ドーム天頂のモニタを見上げると、残り時間はまだ5分も残っている。
 椅子の上でおとなしくしているのが吉だと思ったキリトは、そのままじっとしていた。リュウキと今回の敵、死銃の話をしても良かったけれど、それは、部外者である彼女の前でするのはどうしても、好ましくないだろうから。

 そしてそんな時だ、顔をあげると、テーブルに一直線に歩み寄ってくる者がいた。額に銀灰色の長髪を垂らした背の高い男プレイヤー。リュウキの銀髪よりはやや暗く、そして髪の長さは同じくらい。でも……、顔が全然違う。その姿をチラリと見たリュウキだったが……、明らかに羨ましそうな眼差しも向けていた。

 その男は、暗がりにひっそりと座るリュウキやキリトの2人には眼もくれず、シノンをまっすぐに見て、口許に笑みを刻んだ。

「やぁ、遅かったね、シノン。遅刻するんじゃないかって思って心配したよ」

 その馴れ馴れしい声を聞いたキリトは、また言葉の弾丸をぶっぱなすぞ、と思ったが、それは無かった。彼女が醸し出している雰囲気に何の躊躇いもなく話しかけれると言う事は、顔見知りだと言う事は容易に想像がつくから。

「こんにちは、シュピーゲル。ちょっと色々あってね。……ってあれ? でも、あなたは出場しないんじゃなかったの?」

 すると、シュピーゲルと呼ばれた男は、照
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