暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第177話 衝撃の性別
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「ふぅん……。っとと、そうだ」

 銃の注目はとりあえずこの程度にして、本命探しを開始した。勿論、見える範囲内だけだが。

「……(多分、オレと同じ様に素顔を隠してる奴に注目、だな)」

 フードの影に隠れたリュウキの眼は、180度全体を見渡した。後は集中だけだ。雑音の全てが消え去り、無音の世界が訪れる。

「(……素顔を隠してるのは11人。その中で銃器もみせてないのが9人、か。要注意、だな)」

 その眼が捉えたプレイヤー達に意識を集中させた。
 だが、向こうがこちらの警戒に気づいてしまったら元も子もない。悟らせない程度、それでいて、動きの全てを見逃さぬよう自然に。それをする為に、このフードが大いに役に立ってくれた様だ。これからも重宝しよう、と強く思う。……多分、あの時以上に。

 そして、色々と確認をしている時だった。

ばちーーーーんっ!!

 と言う乾いた音が聞こえてきた気がするのは。

「……?」

 リュウキも反射的に、身体をくるりと反転させた。聞こえてきた(多分)方向に向いていたのだ。首を傾げ、気のせいだったのか? と再びプレイヤー達の方へと視線を向けようとした時だ。彼女とキリトが出てきた。……戦闘仕様の装備、迷彩服に着替えて。

 だけど、ここで 1つ疑問があった。

 それはキリトの頬、左頬が赤くなっていると言う事だ。ダメージエフェクトであるモノ。
 赤く……と言うより、所謂、掌?の形に赤くなっているのだ。確か、昔爺やから聞いた事で、ああ言う形、手の形から、《紅葉饅頭》とかなんとか言われていたな、とどうでも良い事を思い出していた。……リュウキにとって爺やが言うことに同でも良い事なんて無いけれど、今現在では……やっぱりどうでも良い事だろう。

 そんな時、顔の半分をマフラーに埋め、表情が険しくなっている彼女がこちらの方へと歩いてきた。ツカツカツカ……とワザと足音を立てる様にこちらへ。彼女の走り方も歩き方も、足音を殺した歩法をしていたから、その音を聞いて不自然に感じていた。走ってる時は、見事なストーキングだな、と思った程だ。勿論、あまり言われて嬉しい単語ではないから、口には出さなかったけど。
 
 ストーキングには、ストーカー行為、と言う意味もあるから。日本では割とそちら側の認識が高いから。

「ん? どうかしたのか?」

 丁度、目の前に来た所で、彼女に向かってそう聞いた。彼女は、まったく表情を変えずに、ただ聞き返した。

「アンタ、男?」
「………」

 リュウキは、彼女のその言葉を聞いた後、改めて、キリトの方を見た。
何やら、両手を合わせて拝んでいる。
何かがあったのは確かだろう事は理解出来た。
多分、女装をしていた、と認識されたのだろう。

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