第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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襲撃者は、驚き立ち尽くしているのだが、ユーリには、決して余裕はない。
「っ――……、コレほどまでか」
ユーリは、剣を握っている右手が震えている事に気がついた。その振るえを左手で抑える様につかむ。
魔法と言うのは、実体が無い。
故に斬るとき重さなど感じるはずも無いし、そもそも斬れる様なものでもない。だが、ユーリはそれを斬る事が出きる。
嘗て、戦ったマリアとの一戦の時もそうだ。
彼女の最大の攻撃魔法を打ち消した。あれは ユーリの持つ技能と剣撃の合わせ技である。
そして、雷の魔法は、威力そのものよりも速度に特化している魔法だ。だから、防ぐにはこの居合の速度と、魔を打ち消す力。それしか無い。極限まで集中し、雷撃に負けない速度、抜刀術の速さ切り伏せる方法しかない。
そして、その魔法の《重さ》は使い手の技量に比例する。この威力は、これまでとは明らかに違ったのだ。
「ちっ……」
ユーリは、ついに剣を持てなくなり、地面に落としていた。
それを確認した相手は、ゆっくりとした動作でユーリの前にまでやってくる。どうやら 驚愕していたであろう相手も、体勢を完全に立て直していた様だ。
「驚いた……。魔法は撃つ前に防がれた事とかは、結構あるけど、……撃っても耐えられた事も結構あるけど、まさか正面から斬り伏せられたのは初めての経験だ」
雷撃によって、周囲の大地が悲鳴を上げ 辺りを土煙で覆っていた。
その言葉と共に、土煙が晴れ、術者が出てきたのをユーリは視認した。
「こっちも、な。……まさか、何も無い空間から突然現れるなんて。魔法を撃たれるなんて。……そんなのは初めてだ。……成る程、攻撃を直前まで感じられないわけだ」
ユーリは、あの広範囲の魔法を放たれた時に気づいた。……集中し、気配を探っていた時だ。
魔法の発動と、その気配が現れたのは殆ど、いや全くの同時だ。攻撃に移る際には、こちら側に戻ってこなければならないのだろう。……そして、向こう側で既に詠唱を終えているから即座に撃てる。
それは 素早い動きではない。突然現れたのだ。
つまりは、瞬間移動。
以前に会った悪魔。突然場に現れた悪魔の光景に似ているがそれとは違う。
技能はLv2を遥かに越えの魔法使い。魔法技能Lv3の使い手だと言う事を悟った。伝説級の相手なのだということを。
「コレほどまでの大物が相手だとはな……、オレは運が良いのかも知れない」
「へぇ……、この状況で、そこまで言えるんだな。……笑えるんだな」
武器を落としてしまい、無手。……絶望的な状況だと言うのに、ユーリは笑っていた。
それを見て、現れた襲撃者もまた、不敵に笑みを見せていた。
「滅多に無い
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