第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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ハンティは何処かいやらしく笑う。
ユーリはいっている意味がいまいち判らなかったが……直ぐに理解出来た。
「見て〜……zzz お兄ちゃ〜ん……わたし、……良い身体……立派な……れでぃに〜……zzz むにゃ」
「………」
「キシシ……、ほんっとおませさんだね」
「焚き付けないでくれ……」
ユーリはやれやれとため息を吐いていた。
そして、その後 ヒトミに備え付けの毛布を被せ、頭を撫でる。少し乱れてしまった鮮やかな緑の髪をすいてあげる。夢の中ではどんな事になっているのかわからないが、時折妖しく笑っているところを見ると……、随分年齢制限がアウトな夢を見ているようだった。
更に数時間がたって。
「さてと、もうそろそろって所だね、ナガールモールの北側だ」
ハンティは遠くに見える町を見つつそう言っていた。あと少し西へと進めば森に着く。そこから先は、人間も中々立ち入らない場所だから、そこまで警戒する必要もなくなる。
「ふぅ……とりあえず何事も無くて良かったな」
「だね。それより、さっきのユーリへのお礼の件だけど あんなんで良かったの?お礼って程の事でも無い気がするけど?ってか、あたしが礼してるなんて思えないし」
「ま、オレにとっては結構大事な事なんでな。その辺りは気にしないでくれ。ありがとう」
「ユーリがそう言うなら構わないけどね。でも、あたしの方がかなりありがとうなんだけど」
ハンティはそう言うと笑ってユーリの肩を叩いた。
その時だ。
“きぃぃぃぃぃぃ………。”
あの現象が起きた。……世界が止まったのだ。
「(………なんだ?)」
ハンティはユーリの肩を叩く、ユーリの肩に手を触れた瞬間に動かなくなってしまった。
「(この感じって……瞬間移動してる時のあれに似て……)」
瞬間移動中の景色は全て止まっている。
人間も動物もモンスターも木々のざわめきさえも全て。木から落ちる葉も空中で止まっている。その感じと全く同じ。違うのは、自分の意識はあるのに時が止まった感覚だと言う事だった。
『……まさか、こんな事も あるもの、なんだな』
「(っ……!?誰だッ!)」
ハンティは声が突然して驚きを隠せなかった。聞こえてきた、と言うより頭の中に響いてきた感じだった。
『ハンティ・カラー……。ドラゴンの、娘』
「(な、なんでそれを……?)」
『あいつ等に否定され、存在そのものを消されてしまった悲しき種族の最後の生き残りよ……』
頭の中に響いてくる声。……全てを知っている存在なのか?ハンティは頭の中で何度もそう思っていた。
『よく……今の今まで無事、だったな。……愛おしいドラゴンのカラーよ』
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