unknown 2
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リターンクリスタルを使うのはやめておこう。こんなことになるならリターンクリスタル使って帰ればよかったと思うが後の祭りだ。
「何処か合流できるところを探すしかないな」
「……………そうしたいのは山々だが生憎今は不可能だマスター」
アーチャーはため息をついた後、肩をすくめどこか自虐的な笑みを浮かべる。問いただそうとする前に笑みの理由が分かった。理由はアーチャーの後方に存在する。
気配も
足音も
吐息も
匂いも
全てを感じず、その場所に最初から存在していたと言わんばかりに【それは】佇んでいた。
「やれやれ、こんなところで顔を合わせることになるとは………」
アーチャーは後ろを振り向く。
後ろには頭のてっぺんからつま先まで不気味な黒い鎧に身を包み、二本の槍を携える騎士が佇んでいる。
「あいつ………!?」
前にアリーナ帰りの俺たちに襲いかかってきたサーヴァント。前回とは違い不可視ではなく姿を現し俺たちの前に現れた。だが、俺が驚いているのはこいつが現れたからじゃない。この場所にいることに対してだ。アリーナは戦い合う両者のみが入れるものだと思っていた。
「どこもかしこも聖杯戦争のルールというものは破られるためにあるのか、マスター?」
「……………お前の気持ちはよくわかるよアーチャー。俺だってそう思いたいさ」
しかし、この黒騎士は平然とそのルールを破って俺たちの目の前に立っている。この世界はルールに守られているのにここにいるということは二つの可能性がある。
一つはこいつがキャスターのように何かルール破りを可能をする宝具か能力を持っているのか。
「まあ良い。それよりも、奴なら何か知っているかもしれん」
俺に背を向けアーチャーは剣を手にし黒騎士と対峙する。アーチャーも同じことを思っていたみたいだ。二つ目の可能性はこの黒騎士が黒幕或いは黒幕に関係しているためここに来ることが出来たということ。確信は一つとしてないが……………。
「………こいつなら俺がこの場所にいる理由を知っているかもしれない」
「…………期待を寄せるのは勝手だが、まだ、あくまで希望的観測ということを忘れるな。いまはおとなしくしていろ」
アーチャーは手にしている夫婦剣を黒騎士に投擲。黒騎士は縦回転をしながら真っ直ぐ飛んできた剣を手にしている槍で弾く。それが戦いの合図となった。
アーチャーは、黒騎士が二本の槍を構える前に懐に飛び込んだ。そのまま踏み込んだ足は止めることなく、空のままの両手を交差させ黒騎士に肉薄する。
両腕を翼のごとく展き、振り下ろす瞬間に時間差で干将・莫邪を投影。 突如襲い掛かる二振りの剣を、黒騎士は二本の槍で剣を防ぐ。 すると双剣と双槍がせめぎ合い、火花と魔力を散らす。
今のは互
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