第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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た後に額のクリスタルを引き抜き殺すと。そのクリスタルとカラーの身体で財産を築くのが計画だったと。カラーは、そのクリスタルを狙う者は多い為、捕まった時点で、犯され取られて死ぬ事が多いが、今回は彼女達は幸運といえるだろう。
身体そのものを売る為に処女のままにしておこうと言う意向があったからだ。
そのミネバと言う者も、地位の高い武将ではなく秘密裏に行っていた為、ユーリはヘルマンが大きく動く事は無いと悟っていた。
「成程。なら、ここで助けたから、カラーとヘルマンの全面戦争に発展するなんてことは無いな……フンッ!!」
「ぐえっっ!!」
ユーリはそう言うと、拳を男の頭部目掛けて撃ち放った。
確かに男は、兜をかぶっていはいるが、衝撃が伝わりつつ、後方へと飛ばされてしまい動かなくなった。
完全に気を失ったようだ。
「丸腰の相手を斬るのは忍びないからな、だが殴らせてもらった」
ユーリは恐らくはもう聞いてない男にそう吐き捨てていた。
既に何人か殺していたり、犯していたり、向かってきたりすれば、斬っていただろうと思えていた。
話しを聞く限り、1人も殺していないとの事だった。
信用できないがとりあえず良いとしたようだ。
そして、ユーリは軽く剣から血を拭うとヒトミの方へと向かった。
「ふぅ、ヒトミ、大丈夫か?」
「うん。お兄ちゃんは?」
「ああ、オレは大丈夫だ。……だが、あまり見せたくはないがな。こんな光景は」
ユーリはヒトミにそう言っていた。
ヒトミは妹の様なものだ。そのコに血生臭い光景を見せたくないと思うのは当然だろう。
「大丈夫だよ。私だって……沢山見てきてるし、それよりお兄ちゃんが無事だったら、何でも良いんだ。誰かを助けてるお兄ちゃんを見るのも好きだから」
「そっか。よし、なら一緒にカラーの皆を助けよう。ヒトミも手伝ってくれるか?」
「うんっ」
ヒトミは胸を張ってそう言っていた。
種族は違えど同じ女の子だから。そして、自分も犯されそうになり、殺されそうにもなっていたんだ。気持ちは……判る。殺されてしまうのではないかと言う怖さとその運命を呪う気持ちも。
きっと同じだったんだと思えるんだ。
「みんな、みんな、もうだいじょうぶだからね??」
ヒトミはユーリと共に、カラーの一人一人の猿轡を外し、拘束用ロープも解いた。数はどうやら全員で12人。リーダー格であろう実力を持っていそうな娘が2人。
「本当に申し訳ない。何と礼を言ったらよいか……」
カラーの娘は頭をすっと下げていた。
カラーと言う種族の事もあるせいか、彼女達は人間達を怖がったり憎んだりしているものが殆どである。今回助けたからとは言え、真っ先に、怖がる前に礼が来る
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