第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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には生かしておけねぇな」
「………」
ヒトミという存在を知った今、更に敏感になってしまっているも知れないが、カラーとて自分達と同じで生きている存在だ。それを踏みにじっている姿。それは見るに耐えないものだと強くユーリは思っていた。
「それはおかしいな。ここは《ボルゴZ》と《リッチ》を結ぶ山道だぞ? カラーの森からはまるで逆方向だ。……軍の、王国に献上するんなら、普通は《カラーの森》から《ラボリ》へ、そして、更に北上して《ラング・バウ》だろ? なぜ、こんな遠回りをする?」
「……ぐだぐだうるせえヤツだ! お前ら!!」
男がそう言うと、うし車に乗っていた軍人の風貌の男達が5〜6人程が出てきた。
この数を攫ったメンバー?と疑問に思えた。カラーは呪いをはじめとした攻撃魔法や弓技を習得している者が多い。決して無抵抗の種族ではないのだ。
「たったこの数でカラー達を攫ったって言うのか?」
「へへへ、今から死ぬヤツに教えてやる必要はねえがな」
剣を引き抜きながらそう言うと、薄ら笑いを浮かべた。
「カラーの連中はアマアマなんだよ。仲間1人に剣をつきつけりゃ、直ぐに無力になっちまう。だから、1匹捕まえりゃあとは簡単、芋蔓式に集めていったってわけだ」
男がそう言うと、後ろの連中に向かって笑っていた。それに連動したかのように、全員が笑っていた。
……それは本当に聞くに堪えない下衆びた笑いだった
「ひひひ、少し賢くなって良かったな?さぁ、見られたから……に……わ……?」
先頭にいた男は違和感を感じていた。視界が突然変化したのだ。
どう言えば良いだろうか……、突然空中へ、回りながら跳躍したかのような感覚だった。
「な!!」
「ひぃっ!!」
男達は短く悲鳴を上げていた。先頭にいた男もその悲鳴も聞き取る事が出来ていた。
なぜ、悲鳴を上げているか、判らない。
でも……次に見た光景で全て判ったのだ。
「………ぁ」
視線が今度は足元付近になった。立っている場所。自分が立っていただろう場所に首なしの身体が立っていたのだ。
それを見て……斬られたのだと理解した。
その瞬間、首から上が無くなった身体は一気に血飛沫を上げていたのだった。
「……下衆は何処でも、どの国でも下衆だな」
ユーリは、軽く剣を振るい 付着した血を吹き飛ばした。
「てめええ!!!」
「やりやがったなぁ!!」
突如斬られてしまった光景を見た為、驚きのあまり固まっていたが、直ぐに鬨を上げた。
太刀筋がまるで見えなかった。突然首から頭が切り離された。そのイメージであり、恐怖心も明らかに刻まれていたが、それを虚勢の叫びで覆い隠していたのだ。
「……命がいらんもの
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