第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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でるんだな?」
「ああ、軍の演習とやらで、使うんだってよ。鉱石類やら、武器やら、物騒なモンが沢山入ってるんだ」
「成程……と言いたいが、そんな情報オレ達に言って良かったのか?」
「別に、オレにゃ興味ねえし。ばれた所でオレは困らないからな。兎に角これを運んだから仕事終了なんだ。それ以外に興味ないってわけだ」
「………成程ね、狭い道が更に狭くなりそうだ。ヒトミ」
「………」
ユーリは、ヒトミを山側へと寄らせて、うし車をやり過ごそうとした時、ヒトミの表情は険しく、うし車を睨みつけていた。いや、見ているのは荷台。
「ん……? どうした……、む……」
ユーリはヒトミが見ている方を見て、悟った。
あの荷台……運んでいるもの。確か鉱石やら武器やらと言っていたが……。
「お兄ちゃん……、女の子の泣き声がしたよ。あのうし車から。それも1人や2人じゃないよ」
「……よく気づいたな」
ユーリはうし車の運転手に気づかれない程の大きさの声でヒトミに言っていた。
ヒトミは、うし車を見たその時から何かを察していたようなのだ。それが証拠に、ユーリがあの運転手と話している間、一言も話さず見ていたのだから。
「私の耳は見かけだけじゃないんだ……。大きいから。 お兄ちゃん……」
「判ってる」
ユーリはゆっくりと歩いて近づいてくるうし車へと自ら近づいていった。
そして、目と鼻の先にうしがいる位置にまで近づくと、ゆっくりと進んでいたうし車だったが、流石に低速した。
「おいおい、危ねえって言ったのに。落ちたりすんなよ?」
「ああ、大丈夫だ。それより気になってな?」
「ん? 何が……ッッ!!」
軍人の男が驚いた事がおきた。
突如、まるで鎌風が巻き起こったかのように、荷台を覆っていた布が裂け、中が露になったのだ。そこにいたのは、女の子。それも、ヒトミが言うとおり、1人や2人じゃない。この複数のうし車の荷台全部にいるとしたら、10〜20人はいても可笑しくない数だ。
「ほう……物騒なモノ、ねえ。オレにはそうは見えないが?」
「てめえ……、一体何をしてるかわかってるって言うのか?」
「ああ、嘘をついてたから、それを暴いた。それだけの事だろう?」
そう言うと、奥にいる女の子達に目を向けた。
どうやら、普通の女の子では無いようだ。
鮮やかな薄くまるで輝いているような青色の髪に、額には真紅に光るクリスタル。どうやら、《カラー》の集団のようだ。皆が等しく猿轡を着けさせられ、喋る事も出来ない。すすり泣く事しか出来ない。
その僅かな泣き声を、ヒトミは聞き取ったようだ。
「ヘルマン軍の任務を邪魔するなんて、命知らずなヤツだな……? これは、王国に献上する為の≪モノ≫だ。見られたから
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