第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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がいた。6対4の割合だろう。
「ひひひ、商人の類かと思いきや、まさかカラー共に出くわすとなぁ!」
「見てみろよ、カラーのクリスタル! 全員が赤いぜ? って事は皆処女だ。楽しめそうだ!」
その声を筆頭に皆が下衆びた笑いをしていた。その顔、声を聞くと良く判る。
……憎んでしまう気持ちが本当に良く判ると言うものだった
「下衆が……」
ユーリは、怒りと共に、柄を握る手に力を込めていた。
それを見たイージスとサクラ。
暗雲とした何かが手を中心迸っているのが良く判る。怒りが具現化されているかのように感じたようだ。狙われているのは明らかにカラーである自分達だ。
なのに、彼は自分の事の様に怒りを見せているんだ。
――……今回助けてくれた男は、本当に信頼出来る。信じていい。
イージスとサクラの両名はそう感じていた。
その後は、ユーリが15人中10程を蹴散らした。
仲間達が次々と殺られていく光景を目の当たりにした連中は、蜘蛛の子を散らすようにユーリから逃げようとしながらうし車へと向かってきたのだが、そこをすかさず、イージスとサクラの弓で射られて絶命した。
「っと……終わりみたいだな。見掛け倒しだったようだ」
ユーリは剣を振って血を落とすと、鞘へと仕舞った。
「心底感服する。貴方の力を。……そしてありがとう」
「いいさ。それに、あんた達の弓腕、そして魔法も大したものだ。錬度がまるで違う」
「畏れ入ります」
サクラとイージスが頭を下げた。
ユーリはそれを確認すると、剣を仕舞おうとしたその時、ある事を思い出していた。
「かなみから渡された剣……拭いてなかった」
ユーリは忍者刀を抜き出した。
その刀身にはまだ血が付いており、汚れてしまっている。忍者刀を拭こうと切っ先に布をつけたその時。
「ぬッ!!」
突如、天より雷光が降り注いできた。
気配はまるで感じず、突然どこからかわからないが攻撃魔法を撃たれたようだ。ユーリは、寸前で攻撃された事が理解できたが……、完全には躱しきれなかったようだ。
「ぐっ……ち、新手か?」
ユーリは、右腕に受けた雷撃からくる痺れを確認する。動かせない程ではない。だが、技を出すのには鈍ってしまうだろう。それも利き腕だったのが、致命的だった。次からは、抜刀術の技能を発揮しにくくなるだろうから。
「イージス、サクラ……今すぐ皆を連れて逃げろ」
「なに……?」
「コイツはヤバい。さっきまでの連中とは訳が違う」
ユーリは短くそう伝えた。
攻撃の範囲まで来ているのに、気配がまるで感じないのだから。どこから狙っているのかが、はっきり判らないのだ。
「こ
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