第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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実力の持ち主は2人程いる。だから、無理をしてついていく事は無いだろう。
「私としては、貴方に礼をしたい。なのにこれ以上迷惑を掛ける訳には……」
「いや、迷惑と思わなくていい。ただの自己満足もあるからな。あ、そうだ」
ユーリはヒトミの方を向いた。彼女の意見を何も聞いていないのだから。
「ん? 私はかまわないよ! というより、大賛成だよっお兄ちゃん! だって、折角助かったのに……、また攫われちゃったら嫌だもん!」
ヒトミはそう手を挙げてそう言うと、笑顔になっていた。
こんな幼い娘と一緒にいる冒険者風の男。その信頼関係は見たら直ぐにわかると言うものだ。
「申し訳ない……、私達だけでは、皆を庇いきれないのも事実だ。お願いできるだろうか?」
「ああ、任された。仕事だと思ってきっちりやるよ」
ユーリはそう言うと、先ほど拭いた剣を鞘に収めた。
「私の名はイージス・カラーと言う」
「サクラ・カラーです」
2人は頭を下げて、そう答えた。そういえば、名前を名乗ったりはして無かっただろうとユーリは思い出した。
「ああ、そうだったな。オレの名はユーリ・ローランド。こっちは仲間の」
「ヒトミですっ!」
「宜しく。道中お願い致します」
「お願い致します」
ユーリは、自己紹介を済ました後……、前方を見た瞬間、剣の柄を握り締めた。
「どうかし……ッ!!」
「敵ッ……!!」
2人も、気配を察したようだ。素早く弓矢を構えた。
「10……いや、15はいるな。あいつらの仲間……と言うよりは山賊と言った所か、カラー達を見られたようだ」
辺りの気配の数を数えてそう言うユーリ。
まだ、姿を見せていないのに、ここまで気配を読まれる程度の連中の練度は 全然問題ないが、数が多い。こちらにいる、カラーで、戦えそうなのは、二人だけだ。そして武器も少ない。
「……オレが前衛を勤める。援護を頼めるか?」
「任せてくれ。そのくらいはしてみせる」
「同じく……。問題ない」
弓の弦をいっぱいに引き……前方に狙いを定めた。
「ヒトミは、他のカラーのコ達をうし車に隠せ、後ろの2台の車には乗せるな。窮屈だろうが、なるべく1つに固まっててくれ」
「うん、わかった」
ヒトミは頷くと、カラーのコたちを誘導しにいっていた。
突然の出来事の連続でまだ混乱しつつあるカラー達だったから、ヒトミのおかげでとりあえず、スムーズに退避は出来ていたようだ。
「よし……、そろそろ出てきたらどうだ? 気配が駄々漏れだ」
「けっ……!!」
男達は、岩陰から次々と出てきていた。
数は、ユーリが言った数15人だ。
後衛に弓矢を持っている男、前衛に斧や剣を構えている男達
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