第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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とは思っていなかったから、ユーリはやや驚いていた。
そして、それ以上驚く事もあった。
「キミは相当できるな。それ程の力があるのに、やられてしまったのか?」
「……わ、私のせいなんですぅ……」
「ルリッカ……」
後ろで涙目になっているルリッカと呼ばれている娘が涙目でそう言っていた。
「わ、私が人質にとられちゃったから、こんな事になって……ご、ごめんなさい〜〜……」
へたり込むと大声で泣き出していた。
彼女が捕まり、そしてこの娘も捕まり…、そして徐々に人数を増やして言ったようだ。
「大丈夫だ。頭を上げろ。皆この人のおかげで無事だったんだから」
娘は方膝をつくと、泣き続ける彼女の頭を撫でていた。その器量を見ても大物に違いないと思える。
「助けてくれたのはこの御方だ。皆、礼を言うように」
先頭に立って頭を下げる女性をはじめに、ぎこちないが皆が頭を下げていた。……人間の男に対して憎しみしか持っていなかったんだろう。それが、人間の男に助けられた事で、憎しみと感謝の気持ちが混濁してしまったようだ。
「人間を憎む気持ちは判るつもりだ。……理不尽にさらされたら誰だってそうだからな。ただ……その中にもまともなヤツがいると言う事だけ、思ってくれればありがたい」
ユーリがそう言うと、カラーたちは自分達がどう言う表情で目の前の男を見ているのか理解した様だ。直ぐに表情を改めていた。
この人が、助けてくれたのだから。
自分達を救ってくれた人なんだから。
「……申し訳ない」
「かまわない。彼女達や君の事を考えたら それが、その反応が普通。俺は何も気にしないさ。それより、これからだ。ここから先の事だが、お前達はうし車の中で隠れていてくれ。オレがカラーの森にまで送っていこう」
「そ、そこまでは……」
助けてもらった上に、そこまでしてもらうわけには、と思っていた様だが、ユーリは続けた。
「考えても見ろよ。まだ、ここはヘルマン領だ。カラーの森まで距離だって相当あるんだ。お前達カラーは色んな連中に狙われてる。……これも何かの縁だ。助けた以上は最後まで面倒を見るさ」
ユーリはそう言っていた。
助けたのに、別れた後に何かあったら後味が悪いだろう。そのユーリの言葉に返す言葉が見つからないようだ。
「まぁ、後はお前達がオレの事を信じてくれるかどうかだ。流石に信じられないのに、一緒についていくとは言えないからな」
人間を、特に人間の男に恨み貫いているカラー達だ。自分も感謝されているとは言え人間で男なのだから。
「わ、私は……あなたの事は……」
口ごもってしまっている娘も数人いる。こうなってしまえば、無理にでも付いていくわけにはいかないだろう。中々の
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