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ジガバチ
1部分:第一章
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「刺されたら大変だからな」
「やれやれ。マジで蜂が嫌いか」
「言ったままだよ。それじゃあな」
「ああ、場所を変えるか」
「そうするからな」
 こう言ってです。実際にその場所を変える後輩でした。そしてです。 
 健太は来る日も来る日も虫を捕っていました。それこそ雨が降るか虫のいない冬にでもならない限りです。とにかく虫捕りを楽しんでいました。
 そしてその中で、です。いつも一緒にいるお友達の一人竜太にこう言われました。
「ミズカマキリ?」
「ああ、前にジガバチの話をしたけれどさ」
 ジガバチの話をしたのはこの竜太だったのです。丸坊主の日に焼けた顔の子供です。健太がスポーツ刈りなのとはまた違った格好です。

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