『鮮血のラン』登場!
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「「フォルツ??」」
フォルツが僕の前でばたりと倒れた。それを見て、アリスは慌てて駆け寄る。僕は倒れたフォルツを見て。
「やっぱり痩せ我慢してたのか…。」
「どうしましょう…。ここはある意味敵地のど真ん中ですよ。」
そうだ。ここは炎帝の館の前。かとかと言って前庭を戻るのはいささか面倒だ。
僕は少し考えてはあ、とため息をつく。
「仕方ないな…。あの娘に頼むか…。あ、アリスさん。フォルツのコートの中に魔法陣の書かれた紙がない?」
「あ、はい。分かりました。」
そう言ってアリスはフォルツのコートを漁る。すると…。
「ありました。」
アリスが持っているもの。それは複雑な紋様が書かれた紙だった。僕はそれを見てうんと頷く。
「うん。それに魔力を込めてくれない?ある程度でいいから。」
「あ、はい。分かりました。」
それにしてもアリスちゃん本当に無表情だな。でもさっきフォルツの正体が分かった時は凄いキラキラしてフォルツに詰め寄っていたけど。まあ、表情が若干だけど変わってたような気がしたんだよな…。
そんな事を考えていると魔法陣の書かれた紙から元気な声と共に女の子の立体的なホログラムが現れた。
「やっほい??みんなのヒロイン??ランちゃんでーす!」
このハイテンションな女の子がラン。僕たちの協力者であると同時に。
…僕たちの秘密を知っている数少ない人物である。
するとそのやかましい声に気がついたのかフォルツがゆっくりと目を開けて答える。
「うるさい…。
なんの用だ…。『鮮血』…。」
息も絶え絶えだが僅かにランに反応するフォルツ。するとランははあ、とため息をついてフォルツをホログラム上だがビシッと指を指して。
「フォルツ!そんな物騒な名前で呼ぶな!っていつも言ってるよね!それに私はそっちから呼ばれたのだ!私は悪くないし!」
「…さてはニナか…。」
フォルツはそう言ってゆっくりと立とうとするがバランスを崩して膝をつく。
それを見てランは。
「まったくフォルツは!そんなフラフラの状態で炎帝に向かってって勝てるはずがないでしょ!とにかく。これから宿まで転移魔法陣を作るから。
…そこの娘も転移するかい?」
ランはアリスを見てそう問いかけた。するとアリスは申し訳なさそうに、そしてせっかくここまで来たのに街に戻るのを残念がってか少しその申し出に渋る。
「え…でも…。」
「あ、安心して!お金とかは取らないし!それに多分そこにいるニナが今、君たちのいるところままでの魔法陣を作ってくれるとおもうよ!その魔法陣があれば魔力さえあればそこまで飛べるからね!」
そう言っているランからニナを見るとニナは何やら自分の魔力で城館の壁に魔法陣を描いていた。
アリスはそれを
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