Interview13 アイリス・インフェルノ
「皆に迷惑をかけたという話だ」
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呪帯を越えたんだろう。呪環の爆発も顧みず」
「てことはこの後、俺らがミラを拾って要塞から脱出するから〜……」
「確か、カラハ・シャールのドロッセルさんのお屋敷に戻って、休ませてもらったんだね」
「そうそう。ミラサマの足。一時はどうなることかと思ったよな」
アルヴィンの台詞を聞いた途端、ミラは苦く顔を伏せた。
ジュードとアルヴィンが困惑している。彼らの中では思い出話の一つだったはずが、ミラにはそうではなかったのが何故か分からない――といった感じだ。
空気を変えるためにもルドガーはジュードらに尋ねてみた。
「足って何のことだ?」
「……私が愚かにも危険に突っ込んで皆に迷惑をかけたという話だ」
「ミラ、本当にどうしたんですか?」『なんかヒクツっぽいよー』
「卑屈になっているわけではない。この世界の『私』の在り様を見て、本心からそう思っただけだ」
ジュードら昔なじみ組はしきりに頭をひねっている。ミラを知らないこちらのクランスピア組はそれを見てさらに首を傾げる。悪循環だ。
「――偏差反応が消えた。ここにはもう時歪の因子はない」
見れば、ユリウスがGHSのフリップを開いて、難しい顔をしていた。その事務的な態度に救われた。
「んー。よくわかんないけど、カラハ・シャールに行けばいいってこと?」
「あ、うん、そうだね」
エルがバッサリまとめ、ジュードが抜けた返事。
グッジョブ、の意を込めてルドガーはエルの頭を撫でくった。
「あんまり長居したくもねえしな……」
アルヴィンが流した視線の先には、この世界のドロッセルの死体。
「皆さん、すみません。ワガママを言ってもよろしいでしょうか」
声を上げたのはローエンだった。
「お嬢様をこのままにしておくことは、私にはできません。例え壊れて崩れる世界でも、せめてお嬢様を弔わせてはいただけませんか?」
ローエンは宰相になる前にシャール家の執事だったと、いつか聞いた。今でも、時おりドロッセルを訪ねるローエンの態度は恭しいものだとエルが言っていた。
「――分かった。じゃあ俺たち、先に外に出て待ってるから」
「いえ。皆さんは先にカラハ・シャールへ向かってください。このタイミングで時歪の因子がなくなったというなら、1年前の『私たち』の誰かが時歪の因子かもしれません。時間を置けば追いつくのが難しくなってしまいます」
ローエンの気遣いはありがたい。ありがたいのだが、ドロッセルの死体を前にしたローエンを一人置いていくのは、やはり心配だ。
「俺も残るわ。おたくらは先に行け」
「アルヴィンっ?」
「じーさん一人じゃ何かと大変だろ」
「……ありが
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