第17話 秘策
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近藤と土方は沖田と斉藤を呼んで岡田以蔵の事について事情を聴いた。
近藤も土方も以蔵と対峙したわけではないから沖田と斉藤の話はにわかに信じることはできなかった。
「それで、総司、斉藤君、本当に君たちをここまで追い詰めたのは土佐の岡田以蔵なのだな」
近藤は腕を組み沖田と斉藤の顔を交互にみつめた。
「ええ、間違いなく」
二人は真剣な表情で近藤を見つめかえした。
「だが、おかしいじゃないか。岡田はすでに死んでいるんだぞ」
土方は笑い出しそうになった。死んだものが生き返るなどとこの二人は夢でもみているんじゃないかと。
「ええ、だからこそ怪物になって蘇ったのです」
斉藤は土方を見つめた。沖田は斉藤の言葉にうなづいた。
「で、斉藤君。どう岡田が怪物になったというんだ?」
「はい、まさに背中に刀が生えているような出で立ちでその刀を念力のような物で自由自在に飛ばしてくるのです。まして、間合いの速さはまさに風がごとく」
近藤の問いに斉藤は答えた。
「私の時はまるで剣の玉のように転がってきました」
斉藤の言葉に呼応して沖田は言った。
「そんな馬鹿な」
土方はとうとうと噴き出してしまった。
「お前ら、夢でもみていたんじゃないのか?」
が、土方の言葉に対して斉藤も沖田も何も言わずただ蒼い顔をして見つめるだけだった。
「本当なのか?」
土方はその表情を見つめて問いかけた。沖田も斉藤もただ肯いた。
「それが本当なら何か対策を立てないといかんな」
近藤は両腕を組み唸るように言った。
「それなら磁石を用いるっていうのはどうだろう?」
話を聞いていた伊東甲子太郎が顎を撫でながら入って来た。
「磁石?」
土方は伊東を見つめた。
「が、小さい磁石じゃ意味ないだろう?」
「ですから、そこは会津と幕府に任せるんですよ。怪物退治を我々だけに任せて高みの見物とはまったくもって話しにならない。刀くらいの長さの磁石をつくらせる」」
伊東はニヤニヤしながら近藤に告げた。
「なるほど、それは名案だが、そんなもの幕府につくれるのか?」
土方は伊東と言う人間をあまり信用していなかった。
「大丈夫ですよ、土方さん。幕府にだって学問を生業にしてる者がいるのだから。あっ、ですが、私はやりませんよ。私はそんなに強くない」
「貴様!!」
斉藤が伊東に掴みかかろうとした。
「よせ、斉藤君。それでは、伊東君が幕府にそれを作るように交渉してくれたまえ」
近藤は斉藤を制し、伊東に言った。
「わかりました。それは早急に交渉にうつります」
伊東は一つお辞儀をすると部屋から出て行った。
「さて、誰がやるかだが」
近藤は一つ大きく息を吸い土方、沖田、斉藤を見つめた。
「ぜひ、私が」
まずは沖田が口を開いた。
「いや、沖田君は負傷している。私がやります。こんな
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