暁 〜小説投稿サイト〜
俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
第二十一話 不思議な穴には設定を
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てきたこの服は、つまりあっちの世界からこっちの幻想郷まで能力が通用する、という証。だから物が足りなくなったらここまで持ってくればいい… そう、

「マウンテンバイクだっ!」

行くところ、そこは博麗神社。霊夢に弾幕を教わるもよし、博麗ちゃんと遊ぶもよし、魔法使いにいじられるのは御免だけど駄弁るのはよし。
あそこには楽しみがいっぱい詰まっているのだ、が… 移動に少しばかり時間がかかる。この前の迷子は例外として、看板からの八雲宅まで歩きだと時間がかかる。近いには変わりないが。
部屋の中で出すわけにもいかないので、とりあえず外に出てからにしようと思う。

目の前に置いてある食べ飽きたみかんを一個だけ食べ、右手にペットボトルを呼び出し、一口呷り、適当にペットボトルを投げ捨てる。

「もぉ〜能力で飛ばすからと言って投げ捨てちゃダメよ?」

「あんたも人のこと言えないだろうよ… っていうかタチ悪いよ…」

スキマと空間の間に肘をつき、頬杖をしながら俺を上から見下ろしている紫が苦笑しながら呟いた。

「そうねぇ。能力は自分で決められないから… 嫌な能力であってもそれを受け入れるしかないし、制御しなければいけない」

「能力の底上げも、本人次第なんだよな?」

「何に使うかも、どうやって使うかも、本人次第よ」

特に何も喋ることがなく、上で頬杖をしながら目を瞑っている紫を見つめるだけだった。何も言わない俺に気づいて、片目を開けた紫は一度切ってから話を始めた。

「それで、今日は何処に行くの?」

「今日も博麗神社かな…」

「そうね〜 あそこは楽しいものね。いろんな妖怪も集まる。でも、幻想郷(ここ)は広い、是非いろんなところを見に行って欲しいわね。新しい出会いもあるわ」

紫は微笑みながら話を終わらせた。まともなことを聞いたばかりに、俺は少々戸惑ってしまったのだろう。瞬きをして紫を見ていた。少しして、俺も同じような微笑みを見せて軽く鼻で笑った。嘲笑っているわけではなく、同意の証だ。

「それじゃ、私は用事があるから。じゃね」

「寝るのか?」

少しの間、俺を見つめてから何も言わずにスキマの中へ潜っていった。
逃げたな。

さて、こんなことしている場合じゃない。日の半分を落とす前には外に出よう。

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