第2.5章 出会いと再会は唐突に
第32話 幸福を呼ぶ少女
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いだぞ?」
「えへへ、幸福きゃんきゃんがなんで中々遭遇しないのか、って言うのは実はここにあるんだよ! 普通のきゃんきゃんは かなりフレンドリーなんだけど、私達の固体は必ずしもそうじゃない。シャイなコだっているみたいだし、恥ずかしがりやさんだっているの。だから、皆 自然とこのスキルが身についたんだ。諜報とステルスかな? 完全に姿を消せるわけじゃないから、100%ってわけじゃないけど、ユーリお兄ちゃんが、誰かと戦っていたら、絶対に、そのヒトは 私には気づかないよ! 勿論、認識出来る、出来ないのONとOFFも自由自在! 指定する事だって出来るんだ!」
「へぇ……それは知らなかったな。多分人類全員が知らなかった事実じゃないか? そもそも幸福きゃんきゃんは世界に10体といないと言われてるんだし、知らない事実があっても不思議じゃないか」
「ん? 私達はもっといるんだよ?」
「……へ?」
ユーリは再び驚く事になってしまった。驚く事に、広く周知されていたことが覆されていると言う事なのだ。
「認識しづらいって事は発見しづらいって事なのっ。統計で私達の事を出したんだと思うんだ。私も同属に沢山あった事があるわけじゃないけど、10体以上は会えたからね?」
「成程な。認識しづらいか。それはどんな冒険者でも探すのは困難って事だろう。それに運だって、皆は認識してる筈だから意図的に探す者も普通はい無い筈だし」
「そう、そう言うことだよ♪」
ニコリと笑って頷いた幸福きゃんきゃん。ユーリはまだ聞きたい事、確認したい事があるのだ
「そうだった。後もう1つあった」
「ん? なーに? お兄ちゃん」
「名前だよ、君の。名前は何かないのか? きゃんきゃんはモンスターの名称だし、ずっとそう呼び続けるのも、あれだからな」
「あはっ、そうだね? それに私のは長いし……」
舌をぺロリと出して片目を閉じてウインクした幸福きゃんきゃん。そのくりっとした大きな目をいっぱいに開くと。
「私はヒトミって呼んで! きっと、前の私の名前……だったと思うんだ。凄く気に入ってるから」
「そうか、判ったよ。宜しくな、ヒトミ」
「うんっ! ユーリお兄ちゃん!」
2人は再び、ぎゅっと手を握っていた。でも、それはほんの数秒。ここは危険地帯なのだから。
「さて、ならヒトミは大丈夫そうだな。危なくなったらオレの後ろに隠れるんだぞ? ちゃんとオレには認識出来るようにしててくれ。危険な目に合ってる最中に判っても遅いからな」
「うんっ! がんばってね!」
ヒトミは手を振っていた。ユーリの目の前の通路の先にいるのはこの層のモンスター。
《アカメ》が2匹、《オッズ》が3匹だ。
アカメは、手も足もない肉の塊。だが知能は高く炎の魔法を使うのが得意の一つ目のモ
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