第2.5章 出会いと再会は唐突に
第31話 マルグリッド迷宮へ行こう
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……ここまで判り易くするくらいなら堂々と話せばいいと思える。
「ああ、こちらこそ宜しく。じゃあ 気をつけろよ? あの数のモンスターがここに出るのは極稀だ。腕は立ちそうだが十分に気をつける事だ」
「はい。あの その事ですが ここを抜けるまでご一緒させて頂けませんか?」
「ん? オレはどの層まで降りるか判らないぞ。構わないのか?」
「はい。私は第1層に用が有りますので、最奥の地点までで構いません。私は神魔法を少々使えますので、サポートも出来ると思います」
「そうか。別に良いよ。判った」
ユーリはクルックーの誘いにそう返した。頭を掻きつつトローチの方を見る。
「このコ、……クルックーのブレーンはお前みたいだが、耳打ちで話すくらいなら堂々と話せばどうだ?オレはとやかく言うつもりはないぞ?」
「………ぶるぶるぶる」
トローチは何やら震えだした。演技に見えるのだけれど……とりあえず話すのは嫌だと言う事がわかったから首を左右に振った。
「OK。それでいい。ならここを抜けるまで、暫定だが宜しく頼む」
「はい。わかりました」
こう言うわけで、この場所限定だがAL教司教見習いでヒーラーのクルックーとパーティを組んだのだった。
〜マルグリッド迷宮1層・紅茶センター〜
さらに奥へと脚を踏み入れる2人+白いの。
ユーリは以前来た時よりも遥かにモンスターの数が多い事に若干だが戸惑いを見せていた。
「第1層でここまでのモンスターがいるのか……いよいよ普通じゃなくなってきたな。一体何がそんなにモンスターを呼び寄せる?」
腕を組み考え込むユーリ。
以前に来た時は、モンスターは勿論いたが、一度に現れるのは精々2,3匹程度。1つのフロアを闊歩する時にに3,4セットで出てくる割合だった。だが、今は優に倍は超えているだろう。そしてモンスターの強度も上がっている。
「いたいのいたいのとんでけー」
「ん? ああ、ありがとうクルックー」
「いえ、私を庇っての怪我ですので。感謝するのは私の方です」
ユーリは腕に切傷を負っていた。
それはグリーンハニーが持っていた三叉の槍で飛び掛ってきたときにクルックーが気づいていなかったようで、庇って出来た傷だった。
「いや、パーティを組んだ以上は当然の事だよ」
「はい。では私も当然の様に回復致しますので」
「ん」
クルックーとのやり取りは何処か変に感じるものはあるが、慣れてみるとこれが中々に面白い。これまでに無かったキャラだと思える。それに……。
「ふぅ」
「フードでいつも覆っているのですか?」
「それを言うならクルックーも表情を半分くらい隠しているじゃないか」
「ああ、私は過去に事故がありまして。それを
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