第2.5章 出会いと再会は唐突に
第31話 マルグリッド迷宮へ行こう
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しまって……」
「ってお前ら本当に軍のメンバーか? 第1層でそこまでになんでなるだよ」
「あー……返す言葉もないが」
「す、すみません……」
どうやら、この新米兵士の不注意だと思える。だが、それをふまえてでも。
「それをフォローするのが、先輩の務めだと思うんだがな」
「ぐ……」
「こんな所で居合わせたのも何かの縁だ。ほら」
ユーリは持ち合わせの《世色癌2》を渡した。後、《元気の薬》を合わせて渡す。一先ずは、これで大丈夫だろう。
「す、すまない。本当に感謝する」
ユーリに言われて黙り込んでしまっていた男だったが、回復アイテムを渡した事で、目の色を変えて礼を言っていた。どうやら、本当に危なかったようだ。
第1層で、ここまでやられる軍って……とまた思ってしまったがとりあえず、置いとく。
「帰り木だ。まずは体勢を立て直せ。この辺りなら、まだ使えるだろう」
「な、何から何まで……」
「構わない。……が、その代わりと言ったら何だが、教えてもらいたい事があるんだが良いか?」
「なんでしょう?」
「……ここにいる四天王と言うのは誰の事、なんだ?」
がんばって平静を装ってそう聞くけれど……、やっぱり顔が引き攣ってしまう。その名前次第では、気を引き締め直さなければならないのだ。……巻き込まれたくないから。
「え、ああ。《山田千鶴子》様です」
「ほっ……」
「??」
「いや、何でもない」
何処か心底安心した様子を出しているユーリに気になったようだが、首を振っていた為、別に何も聞かなかった。
「名前だけは知ってるが、面識はないな。……アイツじゃなくて本当に良かった」
「アイツ……とは?」
「いや、こちらの話しだ。忘れてくれ。それより話しを戻そう。四天王程の力の持ち主なら、なんで迎えに行く必要が? それ程のものならば問題ないだろう?」
「い、いえ……それがそうも言ってられないのです。最近になって入った情報なのですが、ここで、ゴブリンが出ると言う話を聞いたものですから」
「ゴブリン……魔法禁止エリアを作るモンスターか。確かにそれは厄介だな」
魔法を使う者にとって、ゴブリンは天敵と言っていいだろう。
《ゴブリン》は、特殊な空間を作り出す。エリアそのものを変えるわけではなく、その指定した場所で魔法が使えなくなると言う若干理不尽な力を発動させる事が出来るのだ。そして、対を成す存在が《トロール》こちらは物理攻撃を無効化すると言う物理攻撃を使う者にとっての脅威となるのだ。
「まだ依頼の途中だが……、オレがここにいる間、その山田さんに出会ったら、言っておくよ。仮に危険があったら助太刀も。……と言うより、山田さんは、帰り木やお帰り盆栽は持っていないのか? なら 大丈夫だと思う
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