暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2.5章 出会いと再会は唐突に
第31話 マルグリッド迷宮へ行こう
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う行く」
「は〜い! 1名様ご案内」
「どっかの店のノリで言うなって」

 ユーリはそのままエレベーターを降りていった。その姿を手を振って見送った後。

「あー……そういえば、ユーリさんの前に来た人たち、まだ 帰ってきてないよねん〜。ま、お偉いさんだって言ってたから大丈夫だと思うけどん」

 ポリポリと頭を掻きながら管理人室へと戻っていく。大量に散らばっているお菓子袋の山から一つを抜き出した。

「ん〜 やっぱ ポテチの味はヘルマン・辛味が一番だよねん〜。寒い場所では辛いの一番!」

 袋を破いて皿の上に。
 サイズは、LLLだから、皿から毀れてしまったがお構い無しだ。

「さぁ〜 ナタデTV♪ TV♪ ありすちゃーん♪」
 
 最新型の極薄てれびのリモコンを取ると、大音量でアイドルTV番組をうっとりとさせながら見ている一馬。こんな場所で管理人か……と、思ってしまう人も多いだろうが、ところがどっこい!
彼は満喫しているのだった。
 時折、5Sをする際に手に入れる《お宝》 冒険者達の《忘れ物》等を売って生活費にしているので、収入はバラバラだが、高収入である。

「あ〜〜幸せだなぁ〜……」

 もう、この時の彼は、仕事の事などな〜〜んにも考えず、TVの中で歌っている彼女に集中していたのだった。







〜マルグリッド迷宮1層 カブトムシ回廊1〜


 エレベーターを降りた先は、遺跡の風景。石の壁に灯籠が灯っている。
 地下の割には全体的には明るい方だが、モンスターの気配も色濃く、どう考えても観光場所とは思えないし、そう定着している今は危ないのでは無いか?とも思える。

「む。……明るい方と言えばそうだが、探し物をするにはこれ以上無い程面倒くさい場所だな。ここに来るついでに、と思ったのはちょっと失敗だったな。こういう時、シィルちゃんの有り難さがよく判るってもの、なんだが……」

 ユーリは後悔後に立たずと思っていた。そして、優秀な魔法使いであるシィルが居ればこの迷宮の暗さなど、何ら問題ないだろう。だけど、それはほんの一瞬だけ。冒険者である以上、依頼を受けた以上。完遂するのが勤めだ。少し不本意だが、キースギルドの評判を落とすわけにもいかないのだから。
 そして、暫く歩いている時。

「ハニーホー♪ ハニーホー♪」
「きゃー人間、人間が来た〜!!」
「迎撃準備よ〜しっ♪」

 3匹のハニーたちが現れた。
 ダンジョンに置いては在り来たりなモンスターだが。

「いやに好戦的だな? まあ良いが」
「いけー!!」
「えいえいっ!!」
「ハニーーフラーーッシュ!!」

 ユーリに向かって3匹のハニーが攻撃をしてくるが、攻撃を十分に見切った後。最小限の動きで攻撃を返
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