第2.5章 出会いと再会は唐突に
第31話 マルグリッド迷宮へ行こう
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隠すためです。もう慣れましたので不便はありません」
「成程……嫌な事を聞いたな。すまない」
「……?? 何がでしょう。事実を応えただけなのですが」
「いや、そうだったな。ああ、オレはいつもコレを付けてるよ。外している方が色々と合ってね」
「そうですか」
クルックーはユーリの表情を見たというのに、別に何も反応が無いのだ。そんな人物はこれまでにあまりない出来事だ。不覚にもユーリは感激してしまったのだ。
――……この時ユーリの中でのクルックーの信頼度が10上がっていた。
そして、暫くしての事
「……少し待っててもらえますか」
「ん? ああ、構わない。だがあまり遠くに行くのは辞めといた方が良いぞ。この辺りのモンスターは嫌に凶暴だからな」
「はい。大丈夫です。このエリアからはでませんので」
「なら安心だ。粗方狩っているからな。オレは少し休憩をしてるよ。何かあれば呼んでくれ」
「はい」
クルックーはそう言うと、離れていった。
エリアからはでないとは言うが、曲がりくねった道もあり、ちょっとした穴もあり、小さめの広場もあるから、視認で確認し続けることは出来ない。
「……AL教での指令か、何か、……かね」
ユーリはクルックーの行動をそう考えていた。
これまでに、AL教とは接触は何度かある。……その殆どはロゼ関係だが、極稀にぶつかる事はある。その1つがロゼと初めて会った時の事だ。
「アイツがオレに質問をする前に名前を知っていたようだが……お尋ね者になってる可能性は高いな。容姿は隠していた筈だが」
思い出しながらそう呟いていた。
はっきり言えば、AL教に好ましい印象は殆どない。下部組織に当たるメンバーは別として、教団の内部に入れば入るほど、キナ臭く醜い争いがあり、そして、神の名の下と言う名目で様々な非人道な行為をしているのも事実だからだ。
「まぁ……オレも事を荒立てるのは得策じゃないからな。ある程度は隠して行動はしていたが」
自分の行動を思い出しながら呟いていた。
AL教団の信者は人類の7〜8割と言われている。
そして構成は法王ムーンララルーを頂点とし、その下に司教、司祭、神父、神官、神官見習いと続く。
つまりは、大っぴらに敵と認識されたら全世界の人間の7〜8割を敵に回すと言う事なのだ。
「……そう言うのを好みそうな気がするがね」
誰がか、とは言わない。だが間違いなく……混沌と混乱を望んでいるのがこの世界の頂点だ。
「まぁ、良いか。少なくとも今は」
代々の《憎悪の炎》は決して絶やさない。
だがそれでも、この世界に生を受けたい上は道中を楽しみたいとも思っている。たとえ苦難の道、茨の道であったとしても。それに勝る
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