第2.5章 出会いと再会は唐突に
第31話 マルグリッド迷宮へ行こう
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実の所現代的だったりする。
「毎度思う事だが遺跡になぜエレベーターが付いてるんだ、って事だよな? ……雰囲気をぶち壊してる気がする」
「おや? お客様ですかん?」
「久しぶりだな。管理人さん」
「おー、ユーリさんですかん。随分と久しぶりですねん。この場所には観光にん?」
「違う違う、なんでオレ見て観光って言葉が出るんだよ。ここに観光目的できたこと無いだろうに」
「はは、そうでしたかねん。」
ケラケラと笑っている彼、エレベーターの管理人事《栃ノ木 一馬》
ヘルマンの古代遺跡にいるが、実は名前から判るとおりJapan出身。随分と昔にここ、ヘルマンで就職したらしいゆえに、面影はなくなっているとの事。最近は、語尾に《ん》を付けるのに嵌っているらしく、頻繁にそう利用している。
因みに初めて合った時は語尾に《アル》だったような気がするが、はっきり言ってどうでも良い。本人曰く、学生時代は他人への気配りを忘れないムードメーカーだったとか。
「そんなん知らん」
「へ? どうかしましたかん?」
「いや……何でもない。ほら、通行料金」
「入場料金ですよん。私のところを通るだけの金額じゃ有りません。はい100G受け取りましたん。もう、ユーリさんには説明不要かと思われますが、一応言っておきますねん。非常に危険なので命の保障は出来かねますん。ユーリさんは何層からスタートなされますかん?」
「ん、探し物の依頼だからな。とりあえず第1から行くつもりだ」
階層を指名するスイッチを押すユーリ。
これで、このエレベーターは第1層までしか進まないし、そして一度降りれば戻る事も無い。降り立ったその場所が 後戻り不能地点となる。文字通り命がけの冒険に等しいのだ。帰り木を持っていれば……と思うが奥へと進めば進むほど、何故か帰られない事が出てくるのだ。何故そうなるのか……そう言う空間なのかは今現在でも不明である。
「と言っても奥に行けば上層へと戻るエレベーターもあるから、大した事無いがな」
「ふふふ、ユーリさんくらいですよん?ここを大した事無い。と言ってのけるのは」
「そうか? だが、第1層くらいなら大した事ないだろ」
「私はなんとも言えませんねん。あ、あと1層ならおやつは600Gまででお願いしますん。尚、2層では、バナナはおやつに含まれません。バナナの皮が捨てられると迷惑となりますのでん」
「毎度意味の判らない謳い文句だな。そもそも、観光に来たわけじゃないって。それに、1層ならバナナ良いのか? 逆に」
「1層なら簡単に整理・整頓・清潔・清掃・躾、出来ますからん」
「……工事現場の5Sか? まぁ 別にいいが、ってか、捨てた相手を躾しにいくのかよ」
「そうですねん」
「……頑張れ、オレはも
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