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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
34.喪った者の言い分
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ったんですか!?」
「ちがぁぁぁう!!ミネットの友達に協力してもらっているだけだ!俺だってそこまで見境なしにナンパはしない!!」

 失礼な!と言わんばかりに憤慨するリングアベルだがねこみみカチューシャをつけたまま反論しているので非常に間抜けというか、真剣味に欠ける。リングアベルは真剣なのだ。だが真剣になればなるほど周囲の目は胡乱気になっていく。
 なぜこの世界は正しい者がないがしろにされるのだろう。だが影ある所に光あり。世界に絶望して項垂れた彼に救いの手が差し伸べられる。

「………ふぅ、まぁボクだけは嘘ではないことは分かっているけどね」
「おお、女神よ!!俺の味方は貴方だけだ……!!」
「よしよし、いい子いい子」

 パッと見では年下の女の子に慰められる情けない男だが、年齢差ウン億年なので問題ない筈である。



 = =



 愉快なヘスティア・ファミリアとアニエスの天然炸裂で盛大に話がこじれたが、話は一周回って最初の疑問に戻った。すなわち、何故アニエスはティズの協力を避けてまでヘスティア・ファミリアへやってきたのか?という問題だ。

「ボクに用があるって話だったけど、結局キミは何の用事があってこんな時分にやってきたんだい?」
「はい。報告と……お願いに」

 あの後アニエスはティズと二人でオラリオ内を回ったものの、復興計画への協力に対して快い返答を貰えたファミリアはほぼ皆無に等しかった事を伝えた。ヘスティアはそれを神妙な顔で聞き、やっぱりと言わんばかりに小さな溜息をついた。

「そうかい……しょうがないと言えばしょうがないかな。オラリオのファミリアは意外と浮き沈みが激しいんだ。派閥争いや新人発掘競争で負けたファミリアは弱者の立場に追いやられ、周囲を警戒せざるを得ない。行き先で君たちを訝しがった神も多かったんじゃないかい?」
「……はい。殆ど取り合ってもらえないファミリアも多くありました。ティズと話し合いましたが、やはりヘスティア・ファミリアに協力を求めるという点で合意しました」
「あいわかった。しかし、ますます話が見えなくなってきたね……キミたちはここに来ることで同意したんだろう?ならば何故キミはティズくんに隠してまで今日このファミリアに来る必要があったんだい?」

 ヘスティアは不思議でならなかった。大筋合意しているのだから、来るのならばティズを除け者になどする必要はない。加えて態々夜に来ずとも明日の朝に改めてファミリアに来ればそれで事足りる筈だ。なのに、アニエスは何故遭難のリスクを背負ってまで今日ここに来ることに拘ったのだろうか。

 その疑問を解くために、アニエスはもう一つの話――「お願い」に移る。

「それなのですが……率直に言います。明日、私とティズ、そしてエアリーは改めて
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