異国の大地
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かった。
やむなく足を止め、笑顔で振り返る。
そんなあからさまに口の中で苦虫を粉砕しないでください、ベゼドラ。
「ええと。おかしなコトをお尋ねしますが、笑わないでください、ね?」
「?」
関所からずっと同じ道を進んできた、同郷の人らしき彼と。
彼の背後に並んでいる、彼の仲間? の、男性二人と女性二人。
合計五人が、真剣な顔で自分達を見据えた。
前を歩いていた集団は別口だったらしい。
こちらを気にする様子もなく、スタスタと遠ざかっていく。
「内容にもよりますが。とりあえず、お聞きしましょう」
「ありがとうございます。では」
彼は、数歩後ろに控えた仲間達と目線で頷き合い、自分を正面に見つめ。
すぅっと伸ばした右手の人差し指で、自分の胸元を指した。
「貴方のそこに、精霊が居ませんか?」
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