第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
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」
「後ろの方はいつもやってない? トマトお姉ちゃん」
「こりゃあ、先は長そうだな。ほい!トマト」
「ありがとうございますです〜♪」
トマトはGOLDを払って、意気揚々と外へと飛び出していった。その後姿を見送る姉妹。冒険者を目指している少女が向かう先は一体何処なのか……
いや、何処であろうともあの性格なら楽しいだろう。そう思えていた。
〜カスタムの町 役場〜
カスタムの町では、住民達のおかげで復興は順調に進んでいた。だが、問題なのはやはり金銭面なのだ。 どうしても、必要最低限の資金が無ければ、生きられない。復興も滞ってしまう。
裕福な人間がボランティアでしているわけではないんだから当然だ。だからこそ……支援は絶対必要なんだ。
「………」
ランは、手を組み考えていた。
大国リーザスへ援助を依頼し、その返答はまだだ。以前、かの国の王と側近の3人がここへと来られたらしい。
その時の3人はこの町をどう思っただろうか? 援助するに相応しい。メリットがあると、思ってくれただろうか? それは、素直に頷くことは出来ない。
「(……私達が滅茶苦茶にしてしまったから)」
町を沈めたから、ラギシスとの戦いで多くの家屋を壊してしまったから。まだ、爪あとの多く残るこの町。救い出すためのメリットがあるのだろうか? と思われてしまったら? それに、自由都市であるこのカスタムがリーザス領になってしまう可能性も大いに有りえるのだ。
「私は……私は……」
――……何も出来ないのではないか。
ランはそう思ってしまった。悪い方向へと思ってしまった。折角あの人が頬を張って道を正してくれたのに。
その時だった。
まるで、光が降りてきたような錯覚がしたかと思えば、役所で共に働く女性がいつの間にか来ていた。
「ラン……さんっ!!」
何処か呆気に取られてしまっている彼女を見て不振に思う。ひょっとしたら何か不味い事でもあったのでは無いかと。
「ど、どうしたんですか!? 何か……あったんですか??」
「何か、どころじゃないです。本当につい先ほど、リーザスから書状が届いたんです……その内容が……」
恐る恐ると言った感じでランにその書状を渡した。ランは受け取ると慌てて目を通した。彼女の口ぶりではまだ内容が把握できていないから。
「っ………」
ランは静かに涙を流していた。涙のせいで、最後まで読む事が出来ない。内容は資金の提供。それも無条件でだ。利子については、確かにあるが一般相場から比べたら微々たるものであり、この町でもなんら問題ないレベルなのだから。
リア王女の署名も付いている為、冗談の類ではありえない。
そして、彼女が流す
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