暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
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も知りたいな〜って思って」
「志津香との?」
「そーそー、あのコってばさ、ほんっとに良い笑顔になってるんだからね。私も滅多に見ない笑顔にね? その事は、ちょ〜っと妬けちゃうところはあるけど、それ以上に好奇心が……」

 マリアが訊きたい事は、それだった。志津香ネタ。元々、魔法ばかりで 男っ気など皆無だったから。

「幼い頃に家族ぐるみの付き合いをした。……ん、それ以上となると特に話す事は無いんだが」

 ユーリは、少し考えながらそう応えた。
 あの時の事。以前までは記憶が殆ど無かったが、志津香に出会って思い出すことが出来ていた。恐らく母に封印されていただろうとは思う。悲しい記憶だが、彼女との思い出を思いだしたことはよかったと言えるんだ。

 マリアは一先ず頷いていたが、更に乗り出してくる。

「それでそれで、こっからが本番!」
「はぁ? 本番?」
「そう! 本番よ! えっへへ〜 ユーリさんは、志津香の事どう おもっt「ふんっ!!」いたぁいっ!」

 それは、突然だった。
 マリアの背後に誰かが来たか? と思った瞬間、マリアの頭にゲンコツが落ちてきた。本当に力いっぱい殴ったようで、ごつんっ! と言う鈍い音がはっきりと聞こえた程だ。

「何 変な事言ってんのよ!」
「いつつ……ええー、良ーじゃない。ちょっとくらいさ! 志津香だって、ユーリさんに聞いてみt「ふんっ!!」っっ!! い、いふぁい、いふぁいっっ!」

 今度は、ゲンコツではなく、志津香はマリアの頬を抓り上げていた。

「……そうね。悪いのはこの口のようね。縫い付けてあげようかしら? 粘着地面、じゃなく粘着口で」
「ご、ごふぇんっ(ごめんっ)! ごふぇんなふぁいっ(ごめんなさいっ)!」

 かなりの痛さだったから、マリアは涙目になりながら謝っていた。ユーリは、その光景を見て笑っていた。……マリアの意図など、全く気づいた様子もなく。

「ったくもう……」
「……元気だな? 本当に」
「う、うるさいわね」

 志津香はマリアの監視、と言わんばかりに隣に座った。マリアはそれを見届けるとニコリと笑って、ユーリの隣へと志津香を押し寄せていた。身体と身体を触れ合わそうと。
 ……マリア、さっきはあんなに痛がっていたのに、酒は痛覚を鈍くさせるから あまり感じていないのだろうか、もしくは さっさと降参したのか。
 恐らくは前者だろう。その表情を見ればはっきりしている。

 そして、マリアはそれとなく、そこから立ち去った。……志津香に気を使ったのだろうか? 或いは、2人きりにさせたら、面白いモノが見れると判断したのだろうか? ……今回は後者である。

 最初こそ、かなりぎこちなかった志津香だが、次第に自然に話をしていた。
  
「今回の
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