第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
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だが気苦労が判ったよ。同情する」
男達はついていけないピッチで飲んでいくユーリを見てそう呟いていた。周りには心配した女達がいるようだが、全く心配は要らないとも思える。飲んでる姿には何処か貫禄もあって……、さっきまでとは別人にも見えなくもない。
「……よっしゃあ!! 明日からの復興オレ達も頑張ろうぜ!! 歳上(実年齢・素顔も)の意地を見せてやろうじゃないか」
「おおともよ!!」
何かに触発されたようで男達も盛大に盛り上がっていた。
「………ああもう!」
ユーリは頬を両手で叩くと気を取り直す。ウジウジするのをもうやめたようだ。いや、……開き直ったとも言えるだろうか。
「ふふふ、なんだか御免ね? 皆が好き勝手言ってて」
「御免って言う割には顔、笑ってるし」
ユーリはため息を付きながらそう言う。横に来たのはマリアだった。
「大丈夫です! トマトにはユーリさんの魅力が判ってますから」
「最初に思いっきり勘違いしてくれたのもトマトだがな」
「うぅ……あれは、歴史の一ページとして幕引きさせてくださいですかね……あートマト、食べ物とってくるですよー!」
トマトはがっくりと項垂れつつ足早に食糧確保へと向かった。確かに、最初に歳を勘違いして可愛い可愛いを連呼し怒られた事があるから、ちょこっと気まずくなってしまったんだろう。
「あははは!」
「笑ってるのは良いが、……ここにいて大丈夫か? ランス辺りが文句言ってまた飛んでくるぞ」
「大丈夫大丈夫。ランス、今潰れてるから」
マリアはそう言って指をさした。その先にはランスがいる。
「がーーっはっはっはっは!!」
「ら、ランス様ぁ……お水です!」
「が〜〜〜っはっはっはっは!!!」
ランス、そしてシィルが必至にランスを介抱しているのが見えた。どうやら、また飲みすぎたようだ。
「流石に宴会状態になったら、シィルちゃんでも世話しきれないわな」
「へ? 何かしてるの? シィルちゃん」
「ああ、ランスは酒、強くないんだ。だが、雰囲気だったり 負けじとだったりで飲む時はあってな。……そこで、潰れず且つ良い思いをさせる為に、シィルちゃんは薄めてあげてるんだよ」
「へぇ……本当に良いコよね。間違いなくランスには勿体無い」
「同意だ。が、シィルちゃんはランスに間違いなく惹かれてるからな。彼女が良いなら良いんじゃないか?」
「ま、そーよね? それに好いた惚れたは本人達の自由だし! そ・れ・よ・り」
「ん?」
マリアは、その、所謂 《100万ドルの笑顔》を見せながら、ユーリに少し近づく。……誰が見ても一目瞭然。何か良からぬ事を考えているだろうと思える笑顔だ。その笑顔のまま、ユーリに訊く。
「志津香との関係、私とって
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