第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
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、ガキじゃないんだガキじゃ」
「……(また 依頼先で言われたな?)」
キースはユーリの言葉に何処か棘があると感じたようで、ため息を吐いていた。だが、それ以上に感じるのはどこか明るくなっている所もある事だ。
「うふふ、ユーリさん。今回の依頼で良い事、あったんですか?」
「え?」
「なんだか、とても明るい感じがしましてね」
ハイニもよく判っていたようだ。何処かいつもと違う感じを。
「まぁ、な……」
「写真関係か?」
「そんな所だ」
ユーリはそう応えると、一枚の依頼書をキースに差し出した。内容は、探し物の依頼書のようだ。
「ほぅ、今回は割りとイージーなのを選んだな?」
「そうでもない。場所が場所だろ?」
「ん〜……あ、そうだな。場所を見てなかった」
「しっかりしろよ。ギルドマスターなんだから」
ユーリはやれやれと頭を掻いていた。
たまに抜けているところがあるのがこのキースと言う男だ。そこをカバーするのがハイニなわけだ。本当にバランスが取れた2人だと思える。
「さっ、行ってくる」
「おう、判った。気をつけてな?」
「ああ。問題ない。っと、そうだランスはどうした? 依頼料金はとりに来たのか? あの後アイツ、結構酔っていたからな」
「ああ、頭痛そうにしてたが、シィルちゃんも一緒なんだ。問題なかったよ」
「ん。それもそうか。判った」
ユーリはそう言うと、扉を開けた。そんなユーリの後ろ姿を見てキースは声を掛けた。
「ユーリよ! オレをちゃんと招待しろよ?」
「は? 何のことだ?」
「写真のコだよ写真の。式挙げるときは頼んだぜ? いつ挙げんだ?」
「ぶっっ!」
ユーリは思わず吹いてしまっていた。丁度、カスタムの事を考えていた時にそういわれてしまったからだ。
「え? え? どういう事ですか? ユーリさんにひょっとして想い人が出来たのですか?」
「違う違う! 何を言い出すんだ、ハゲ馬鹿」
「ハゲ馬鹿とはひでぇな。友人代表でしっかりスピーチしてやるからよ! 無え無えって言ってたが、ありそうじゃねえか?」
「……さ、長くなりそうだ。行ってくる」
「っておい! コラッ!」
ユーリはそれ以上付き合わずにそのまま、止まらずに出て行った。こうなったら、ネチネチと長い事を知っているからだ。
そして、残った2人は分析を始めた。
「ん〜……今回の ユーリさんの反応はどうでしょう?」
「そうだな……、全く脈なしの様には見えなかったな。だが、照れ隠しって訳でもなさそうだ」
「ふふ、まだまだお預けって事ですかね? ユーリさんにしろランスさんにしろ」
「ははっ、まぁ楽しみは先にって事か」
キースはそう言うと、葉巻に火をつけてふかした。仕事をして
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