暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
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ように……誰もいなくならない様に。

 そんな時だった、不意に扉を叩く音が聞こえてきたんだ。

 志津香は慌てて出ようとしたんだけど、時は既に遅い。

「入って良いですか〜?」
「………」

 良いですか? と訊いている癖に、もう、既に入って来ていた。
 そう、扉を開けてしっかりと見ている。こちらの方をし〜〜っかり見てる。

 ニヤニヤ笑みを見せながら。

「何処から?」
「だって、志津香昼まで寝てるんだもん。10時に約束してたよね?」
「何処から?」
「こりゃ起こしてあげなきゃ〜! って思ってさ」
「何処から?」
「あの……」
「何処から?」

 ……いつまでもリピートする志津香さん。
 次第に、来訪者マリアは、表情が引き攣ってしまっていた。そもそも、起こしにくる事はよくある事で……、今回は狙っていたわけではなく、今回のコレはまったくの偶然なのだから。
 それに、志津香に関しては、勝手知ったる他人の家、状態になっているから。

「あ、わざとじゃないのよ? 私はし、志津香を起こしにきて……」
「だから、何処から見てたのっ!?!?」

 ついに志津香の目が光った。
 赤く、ギラリっ!と擬音が聞こえてくるくらいの勢いで。

「え、えっと……写真? を握り締めてたあたりからかn「ふんっ!!」っっ! いひゃっ(いたっ)!! ひゃ()ひゃめふぇ(やめてっ)!! ふぃづふぁ(志津香っ)!」

 普段より二割り増しの志津香の抓り攻撃がマリアを襲っていたのだった。口外無用を約束させて。

「っとにもう!」
「いたたた……。もー そもそも、志津香が約束すっぽかすのが悪いのに」
「ゔ……それはそうだけど」
「ま、私もプライバシー侵害しちゃったし? お互い様って事で!」
「う〜ん……でも、口外したりしたら……」
「言いません」

 マリアはきっぱりとそう言っていた。
 なんていったって、どうなるか身を持って知っているからだ。頬が伸びきって緩んでしまいそうだ。

「さて、今日も一日頑張りましょ? 志津香は遅れた分頑張ってもらうわよ?」
「はいはい。了解よ」

 2人はよく晴れた日ざしの下へと出かけていった。






――カスタムは本日も、快晴。そして 視界良好。復興に向けて、前へと進んでいくのであった。







〜アイスの町 キースギルド〜



「ふむ……」

 ユーリは戻って依頼料を受け取ると、また同じように依頼書を眺めていた。直ぐにでも仕事に行きそうな雰囲気だ。

「帰ってきたと思えば、もう早速行くのか? 近頃の仕事は規模も規模だ。しっかり身体は休めといた方がいいと思うぜ?」
「体調管理くらい出来るさ。それに
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