第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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あぅっ!!」
その爆風で吹き飛ばされるマリア。背後の木に背中を強打し、崩れ落ちる。
「(こ、これだけ、離れてるのに……そんな……)」
痛みを堪えながらマレスケ試作型を見るマリア。
「そ、そん……な……」
一目診ただけでわかる。もう直すのは無理だ。砲身が完全に歪んでいる。無理に撃てば絶対に暴発するだろう。
自分の攻撃手段が完全に潰された。いや、それ以上に……。
「う、うそ……、みんな、みんなやられちゃったの……」
その事だった。
この攻撃は間違いなくラギシスのものだ。こっちに攻撃を出来る余裕があると言う事は……皆が……。そうマリアが連想しても仕方が無い状況だった。目に涙を浮かべて拳を握り締めるマリア。
絶望の炎が自身の兵器を焼いていくのは、まるで仲間達も一緒に焼かれている事を更に連想させていた。
「た、たすけて……だれか……」
背中の痛みの中、意識も薄れ始めていた。自分の傷は決して浅くは無いとわかる。だから……自分に出来るのは助けを乞うことだけだった。
頭の中に浮かぶのは、この場にはいない男女の名前。
「たすけて……ランス……シィルちゃ……」
マリアの握り締めた拳がゆっくりと開く。マリアは完全に意識を手放したのだった。
〜カスタム周辺の森 洞窟前〜
「ふははははは!! この私を小者呼ばわりした報いだ!! 思い知ったか? この≪小者≫が!」
ラギシスがそう吐き捨てている相手は、今目の前で倒れている男に向けている。他の4人は、余波を受けただけだが、立つ事が出来ない程の傷だった。だが、ラギシスは初めからそいつらには目もくれていない。今向けているのは地に伏している男、ユーリの事。
「あ、ああっ……!!」
志津香は、目を見開いた。
あの光景が目に焼きついて離れない。自分を庇うように前に立つユーリの姿を。
「ら、ラギシスぅぅっ!!!!!!」
怒りに身を任せ、魔法を飛ばそうとするが、
「ぐ、く………」
「くくく、先ほどのお返しだ志津香。貴様の魔力を封じるなど私には訳は無いのだよ」
ラギシスは、志津香の頭を押さえつけるが如く力で魔法共々に押さえつけた。
「ゆー……り……ぐ、」
「あ、あ……」
「そ、そん……な……」
4人はそれを見る事しか出来ない。
自分の身体なのに、動かすことが叶わない。ただただ、自分の無力さを呪うことしか出来なかった。
「なるほどなぁ……、志津香。この男はお前の想い人だった、ということか? かっははは! これは滑稽、傑作だ。親子共々似たような最後を遂げるんだからな!」
ラギシスは勝者の愉悦に完全に浸っているようだった。
志
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