第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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「ああ、当然さ。コレで死ななきゃ本物のバケモンだ」
ラギシスの断末魔はもう聞こえてこない。炎と共に消滅したとも思える状況だった。
「志津香、大丈夫か?」
「はぁ……はぁ……、ええ。大丈夫。マリアに良い所、もって行かれちゃったわね? お互いに」
「良いさ。皆が無事ならな」
ユーリはそう言って笑っていた。
全員で無事に帰る。そう約束したのだから。
――だが……それが致命的な油断だった。
この時、ユーリは敵の生死を確認したわけではない。
ただ、あの威力ならと、間違いないだろうと勝手に決め付けてしまっただけだ。『〜だろう』 それは決してやってはいけない行為。それを忘れてしまった自分の驕りだ。
炎の中からそれは動き出した。
もうそれは、人間の姿ではない。バラバラになったその姿はまるで軟体生物の様にグネグネと蠢くと、巨大化をしていく。一体全長はどれくらいになるだろうか、それはわからない。
だが、それ以上にわかるのは……強大な魔力も共に迸っていると言う事。
「ラギシス!!」
「くっ!!」
志津香の方を向いていたユーリは一歩遅れてしまい、志津香は即座に封印する魔法を放つが。
「ダメッ……! でか過ぎる!!」
それは志津香でも抑えきれない程の魔法だった。さっきまでとはまるで違う。別人が放つ様な魔力。そして、凶悪な闇を孕んだ言葉と共に絶望が迫る。
「――……黒色破壊光線」
「全員伏せろ!!」
数多の攻撃魔法の中にして、最強の呼び声が高い最上級の攻撃魔法。暗黒の波動が辺りに集まり滅する闇の光線。
もうそれは1秒を切る刹那の時間だったが、皆は確かに見た。
皆を庇うように両手を広げる彼の姿を。
〜カスタム周辺の森〜
ラギシスへと見事砲撃を命中させたマリアは違和感を覚えていた。
まだ暗くなく、太陽も見えているこの状況なのに、暗黒の波動があたりに広がっていたのだ。
「な、なに!? なんなのっ!?」
そして、地震が起きたかのように大地を揺らせた直後に一筋の闇が貫く筋が見えた。
「い、今のはまさか……!」
魔法使いであれば、誰でも知っている最強の攻撃魔法。
あれを使えるのは仲間の中にはいない。つまり、あれを撃ち放ったのは……。
「し、志津香! みんなっ!! くっ……照準は合って無いけど! 手動でもう一度撃つしか!」
マリアはその準備をしようとしたのだが……、再び強大な魔力が襲ってくる。それは、闇の波動ではなく、炎。それも巨大な炎が先ほどと同じように筋となって、マリアのチューリップ2号 マレスケ試作型に直撃し、爆音を上げながら破壊されたのだ。
「
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