第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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志津香は完全に昨日の記憶が頭からすっぽりと抜け落ちてしまっている為、勝手に決め付けるようにそう言っていたのだ。正直な所、『変な事をしたのは志津香だ!』と言いたかったマリアだが、後々が怖い為、口に出してはない。
「あ……ははは……、」
「なによ、その笑いは。本当に何があったの?」
「あ、志津香さん、大丈夫でしたか? 昨晩は随分とはしゃいで飲んでるみたいでしたが……あまり気にしない方が良いわよ」
「気にしない?」
「あ、あっちゃぁ……」
突然、まるでタイミングを計っていたかのように現れたのはエレナ。酒場と兼任で、こちらにも食料を運んできていたのだ。
「……説明してもらえる?」
「え、し、志津香?」
「……説明してもらえる!」
「お、落ち着いて!」
「説明して!!」
段々迫力を増していっている志津香のプレッシャーに負けてしまったマリア。エレナに耳打ちを軽くすると意に決したように自身の頬を両手で叩いた。エレナはと言うと、マリアに言われたからと言う事もあったが、その迫力にマリア同様に負けてしまったと言うのもあるだろう。
そそくさと立ち退き、座敷の間へと入っていった。
「えっとね。初めは皆と楽しく飲んでたの」
「それで?」
「やっぱり、お酒は楽しく飲まなきゃ損じゃない? いろいろあったし、皆無事だったし」
「それで?」
「あぅ〜〜……」
この威圧感はハンパじゃない。あの地獄の口のモンスターなんか、比じゃない程に。
ちゃんと昨日あった事を説明しないとここから帰してもらえないのは火を見るよりも明らかだった。
「いやーきのーは刺激的なもの見れたわねーミリ?(棒)」
「まぁそうだな。普段見れるもんじゃないぜ」
そんな時だった。
これまたタイミングを計ったかのように現れたのはミリとロゼ。ロゼに至っては殆ど棒読み。明らかに確信犯だろう。志津香に聞こえるように言っているのだから。
「……丁度良いわ。その≪刺激的なもの≫。説明してもらえるかしら?」
志津香は、ロゼが言っている時点で、嫌な予感はメチャクチャしているようだが、聞かずにはいられないようだった。その予感よりも……何も知らない自分の方が嫌なのだ。
「えー? 良いのかしら?」
「……良いわ」
ロゼの言葉には邪気がかなり孕んでいる。
まるで、パンドラの箱を開けてしまいそうな錯覚に見舞われていたが、志津香は頷いた。
「それじゃあ、話してあげますかね! 《実録! 志津香とユーリの淫乱一夜【あなたは私の物】》」
「〜〜〜っ/// う、嘘つけぇ!!」
「ああ、そう言えば、志津香はユーリの事を≪ゆー≫って呼ぶんだな? その辺の経緯も後で教えてもらいたいな」
「!!!」
「ああ〜……志津香、南無南無
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