第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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「くそっ! コケにしやがって!!」
ランスは、ラギシスが仕掛けた金縛りで動けず、ただただ叫びを上げるしかなかったのだった……。
〜カスタムの町 町長の屋敷〜
「ん……ん〜……」
志津香はゆっくりと目を開けた。目に入ってくる光景に戸惑う。
なぜ、自分はここにいるのか?ここはどこなのか?
「いたっ……っぅ……」
その次に襲ってくるのは激しい頭痛だった。
昨日の出来事を知っている者なら当然だと言うだろう。それは二日酔い特有のモノ。それ以上に強烈な濃度の酒を飲んでいるから 普通の倍増しで痛いだろう。
「いったい何が……ん?」
志津香は昨日までの記憶を必至に揺り起こそうとしていたが、痛みのせいでそうはいかない。それよりも、違和感があったのだ。何やらふさふさしているモノが顎に感じる。まるで、草原にうつ伏せで眠っているように。
なんだろう……と、目をはっきりと開けてみると。
「………っ!?!?!?!?」
志津香の目の前にあったのは頭だった。誰のもの……と考えるまでも無く正体に気づく。
「ななな、なんで!?」
「ん……起きたのか」
在ったのはユーリの頭だった。両腕で頭を抱えるようにしていたようだ。
「何してるのよっ……痛っ!!」
「……理不尽だな。まあ、別に良いか。……起きたなら水を飲んでくればいい。大分マシになるだろう」
「っ〜〜〜!!」
志津香は思わず飛び起きると、気分最悪痛み最悪な身体なのに、素早く部屋を後にしていた。ここは町長の屋敷なのだと言う事は、部屋を出た所で気が付いたようだ。座敷の間の外では簡易的な宿泊施設の様になっており、テーブルを並べて朝食をとっているメンバーも多々いた。
その中にはマリアもいる。
「あ、おはよう、志津香」
「おは、おはよう。いつっ……」
完全に動揺しきっている頭だったが、マリアの前だ。なるべく平静を保とうとするが、途端に痛みを思い出したかのように頭に響いてくる。
「大丈夫? 志津香。はい、お水」
「ありがと……、朝から変な状況になってるし、昨日の記憶全くないし、なんでアイツがいるのよ。そんなに飲んじゃったのかしら? まだ 酔ってる感じもする……」
「あはは……二日酔いは直ぐには治らないからねぇ……」
顔が赤くなっているのは酒のせいだ!と遠まわしに言っている志津香。
マリアはその仕草も当然判っているようで、苦笑いをしながら答えていた。志津香は聞かなければならない事がある。
「マリア、昨日の事教えてもらえるかしら?」
「ふぇっ!? と、突然どうしたの?」
「……なんで私の傍にアイツがいたのかが気になるの。アイツ、私に変な事しなかった?」
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