第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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「やれやれ……、だが、迅速な対応はしてくれているようだ」
「だな。普段が普段なんだが、こう言う時は頼りになるみたいだ」
親バカな面は町の住人なら皆が知っているようなのだ。
だが、真に評価される所は如何に町長として町の為に出来るか、危機を回避出来るかである。つまりは、この迅速な対応を考えたら間違いなく優秀な町長である事は疑う余地が無いだろう。
「そして、状況を見て避難させる手筈も整えてます。役場の人間にも話し、可能であればリーザスと連絡を取れればと。あの魔力ですから国の脅威になると思われると伝えようかと」
「成程、良い手だ。リーザスならランスの名を出せばフリーパスみたいなものだからな。必要最低限はして貰えるだろう」
「おいコラ! オレ様をダシに使うんじゃない!」
普段ならそう言うことはしたくないユーリだったが今は状況が状況だ。躊躇する時間ですら惜しいのだから。
「これだけ整えてくれているのなら町は大丈夫だな。後は オレ達が勝つだけだ」
「ユーリさんっ!?」
ランが驚くような表情でこちらを見ていた。
「で、でも、ユーリさんは……」
「オレには、関係が無いとでも?」
「い、いえ……」
ランはそう言おうとしていた。
ただでさえ、操られていた自分達を解放し、町を救ってくれたのに、これ以上ない危機にまで付き合わせるのは、抵抗があったのだ。
「逃げる選択肢は無い。……折角救ったんだぞ? なのに、帰った後に全滅しましたじゃ、後味悪すぎるだろう?」
ユーリはそう言って笑っていた。
その言葉に四魔女の皆が笑顔になる。志津香も嬉しそうにするが、頬を軽く膨らませると。
「簡単に負けるなんて思わないでよ」
「思っちゃいないさ。……」
ユーリは軽く志津香に耳打ちをした。
「っっ! ……ええ そうね」
「なになに?? なに言ってもらえたの?? 志津香!?」
マリアが興味津々に聞くが、今はそれ所じゃないだろう。
「くだらないこと言ってないで、早く行くわよ! アイツの魔力なら感知できるんだから! 行くわよ? 皆」
志津香が真剣にそう言うと、流石のマリアも押し黙って頷いた。ミルもランも強く頷いた。もう一度引導をあの男に渡す為に。
「おいおい、オレを置いてくのか? ありえねえよ。妹だけをそんな危ない所に行かすなんてさ? 折角助ける事が出来たんだ。オレも共にいく」
「ミリさんも……ありがとう」
「お姉ちゃん!」
マリアとランは感謝をいい、そして頼りになる姉が着てくれることにミルは喜んでいるようだった。
「あー、この流れでオレ様も行く! って言う感じになると思ってるかも知れんが、オレ様は行かんぞ。オレ様の仕事は四魔女の退治と町の解放だ。
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