第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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ユーリは、あの時の不自然さを思い返し悔いていた。
チサを攫った手段がこれまで魔女がしていたモノとは違う時点で怪しむべきだったんだ。そして、ラギシス邸にいた事実とロゼが話しかけた時に気絶したという事実。それを考えたら、結論が出そうだった筈なのだが。
「気が緩んでいた。……オレの失態だ」
ユーリはそれを認めていた。
彼女に会えた事実、そして真実を知った事。それらが完全にラギシスの事を頭から消し去っていたのだ。
「いて! コラ噛み付くな! それに、そんな怒るなよ。別に害があったわけじゃなし……」
「ランス! アンタは判ってない、あのフィールの指輪は私達4人の……違う、それ以前から40人の女の子の魔力と悲しみを吸収して成長してるのよ! そんな物をラギシスに渡すなんて!」
「オレ様が渡したんじゃない! チサちゃんに取り憑いていたアイツが悪いのだ!」
「アンタが軽率なのよ! それに、あの指輪を利用する者がいる限り私達は勿論、今までに吸収された女の子達も救われないわ」
「そんな、大層な。……それにお前ら皆ここでピンピンしてるだろうが」
「だから、そう言う問題じゃないのよ! マリア、ラン、ミル! 行くわよ、今度こそ、ラギシスを倒しに!」
志津香は、皆にそう言うがユーリがそれをとめる。
「少しだけ、まて」
「止めないで! ユーリ! アレがある限り私達は……」
「違う。まずは すべき事が他にもあるだろ?」
ユーリがそう言うと、隣でいたミリも頷いた。
「そのとんでもない魔力を持ったジジィがどっかにいるんだろう? そんな危険物の存在を伝えねえで、行ったら町も、住民も危ないだろう。まずは事情の説明、そして避難をしてもらうのが先決だ」
「あ……そうね」
志津香もミリの説明を聞いて頭が冷えてきたようだ。マリアとミルも同様で、ミルはランスの腕から手を離した。
「だが、パニックになっても二次災害が起きかねないな」
「その点は大丈夫です」
ランが横から口を挟んだ。
感情的になっているのは主に志津香、マリア、ミルの三人であり ランはしっかりとまわりの事にも気にかけているのだ。
「チサちゃんの1件で、ガイゼル町長は酷く塞ぎこんでしまいましたが、町への情報についてはなるべくオブラートに包んで発信してもらうようにと指示を出してました。表向きは結界の関係でまだ不安定な可能性が否定できないと言う名目で、一箇所に集まるにと」
「チサちゃんの一件?」
「がははは!」
ユーリはその一件だけが良くわかってなかったが……、ランスの笑い声が聞こえてきた時点ではっきりと理解した。
どうやら、チサがヤられた事実をガイゼル町長が知ってしまったようなのだ。それで、ずしっと精神的に来たのだろう。
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