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ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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猛な獣に狙われてるような……気配が。

「お、おはよう。と言っても2度目だがな」
「……」

 いたのは志津香。
 志津香は、メチャクチャ震えている。恥ずかしさから来ているのだろうか。

「おい、大丈夫か? 志津…ッ!!」

 突然まるで瞬間移動したかのように志津香は接近をしてきた。その赤面させた顔をめいいっぱい近づけると、胸倉を掴む。

「昨日の事! 絶対に忘れる事、いや封印! 生涯封印する事! 判った!?」
「……散々な目に合ったみたいだな?」
「うるさいわよ!!」

 志津香はユーリの脛にけりを入れていた。
 まだ若干眠たい朝からこの一撃は益々目が覚めるというものだ。

「あ〜ら、いちゃいちゃしちゃって。羨ましいわ〜」
「ふふ」
「ん? 真知子は構わないの? 取られちゃうわよ?」
「ええ、私は、どのポジションでも構わないので」
「あ〜成程。それもありってね?でも、志津香が相手だったら紛争が起きそうね」
「ん〜。内緒に秘密裏、手はいくらでもありますから」
「AL教のシスターとして、その行為を認めます! 生涯を尽くして、彼に迫ること。また、私に面白い光景を見せる事!」

 遠目で見ていたロゼと真知子は楽しそうにユーリ達を見ているのだった。その光景は、平和そのもの。町が地面に沈んでしまったあの時には考えられなかった光景だ。

 だが、その平和な町の姿も直ぐに陰ることになるのだった。

「あ、み、みなさん! ここにいらしたのですか!?」

 慌てて真知子やロゼ、そしてユーリ達の方にも入っていったのはシィルだった。普通なら、雰囲気から察するものだが、それどころでは無い様子なのだ。
 つまり、それだけの事態が起きたと言うこと。

「し、シィルちゃんか、丁度良かった……」
「何が丁度良いって言うのよ!」
「あ、あのっ! き、きてください。た、大変な事になってしまって……」

 シィルは早口でそういった。肩で息をし、汗も流している。志津香もそのシィルの姿を見たら、冷静にならなきゃならないと思ったようだ。
 シィルに連れられて、再び町長の屋敷の方へと戻っていった。








〜カスタムの町 町長の屋敷前〜


 そこで待っていたのはランス。
 何事かと説明を受けた時。皆、事の重大性が理解できた。

「ななな、なんですって!! 指輪をラギシスに!?」
「ランスのバカ!! バカバカ!!」
「そんな……」
「どーしてくれるのよーーーっ!!」

 ラギシスに指輪を奪われた経緯をランスが説明すると、四魔女全員が唖然、そして怒っていた。ミルや志津香に至ってはランスに噛み付いている。

「やられたな。……チサちゃんの時、もっと考えておくべきだった」


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