暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
[11/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
〜〜」

 マリアは志津香の姿を見ながら両手を合わせていた。
 この2人には誰も勝てないし、止められないだろう。カスタムの町で一番やばい2人に目を付けられてしまった時点で、勝てないのは決定事項だ。

 志津香に至っては かつてユーリの事を≪ゆー≫と呼んでいた事実も知られているから、何処からが嘘で何処からが本当かわからなかった。

 だから……、この後も真偽を確認する意味で色んな人に話を聞くハメになるのは別の話。


「もう、飲まない……絶対に!!」
「し、志津香……、あれは≪ヘルマド・スピリタス≫のせいだって」
「それでも飲まないわ!! 昨日の私は私じゃなかった!! そうよ! そうなのよ!!」
「って、そんなもん、酔っ払いなら周知だろう。態々言わなくたって」
「そーよ? 志津香ちゃん? そんな強く否定したら、疑っちゃうわよ〜?」
「っ!!! こ、このっ! ほ、炎の!!」
「きゃあ! こんな所で止めて!!」

 思わず魔法を撃ち放とうとする志津香をマリアが必至に止めていた。その騒動を遠目で見ていたのはユーリ。

「……助かったよ、エレナさん。あの場に出ていってたら酷い目に合ってた所だ」
「いえいえ、あ、私も気になった事があるんですが?」
「ん?」

 エレナはニコニコと笑い、そして近づいてきて。

「昨日私は見てないんですが……ここで志津香さんと≪ちゅ〜☆≫したのって本当ですか?」
「………さぁな? 昨日は、オレも酔っていたからなんとも」

 ユーリは明後日の方向を見つつそう言っていた。
 そもそも、志津香が目を覚ますほんの数分前に自身も目を覚ましているからまだ寝起き。若干だが、顔が赤くなっているのも判る。行為のせいで恥かしいのか、出来た事が嬉しいのか……そのどっちなのかは判らないが。

「ふふふ」

 エレナは笑ってユーリを見ていた。

 今の志津香とユーリは殆ど対照的な姿だった。慌てふたむく志津香と冷静に躱すユーリ。

 それがやっぱり面白くてエレナは笑っていた。




〜カスタムの町 中央広場〜


 ユーリは、志津香がいなくなったのを見計らって外へと出ていた。自身も飲んでいる為、外の空気を吸いたかったのだ。

「ん……。あれくらいで初心(ウブ)な姿を見せられるかっての」

 ユーリは人差し指と中指で上唇、下唇にそっと触れていた。
 確かに酔っていたが 志津香の感触はまだ残っているような気がする。強烈な酒の匂いのせいでムードは最悪だろうが、それでよかったと思えるのだ。

「さて……、一通りの挨拶をした後 そろそろ帰り支度でも」
「………」

 ユーリの背後から異様な殺気に似た気配を感じた。

 ここは町中なのに、まるでジャングルの中。獰
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ