第2章 反逆の少女たち
第25話 魔想志津香
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のだから。変える為には、過去を知っている者じゃないと不可能なのだ。
「ど、どういうこと、ゆ……あんた、何か知って……ッッ!!」
志津香はつい先ほど、ユーリが言っていた言葉を思い出し、聞こうとしたが、ユーリの目が、表情が尋常じゃないくらい強張っているのがわかった為、それ以上なにも聞けなかった。
「かあ……さん」
ただ、ユーリの口から出た言葉がその単語だった。
「かあ……? ゆーの母親……?」
ユーリの言葉を聞いて志津香は、再び魔法を放った女性の方を見なおしていた。
「魔想夫妻は、私達家族の大恩人。手出しはさせない!!」
ユーリが母、と言っていた女性。美しく風に靡く黒髪。立っているだけでも、辛そうに表情を歪めている。だけど、それでも決して億さずに、ラガールを見据えていた。
「ふんっ! 貴様がどこの誰かは知らんが、オレの邪魔だてをすると言うのなら、惣造共々あの世へ送ってくれるわ!」
「リサーナさん!」
「アスマーゼさん、貴女は暫くそこで見ていて頂きたい」
「きゃあっ!!」
「ッアスマーゼさん!!」
魔法でアスマーゼの自由を奪い、再びラガールはリサーナの方を向いていた。その表情は薄ら笑みすら浮かべていた。
「くっくっく、惣造には絶望と恐怖をたっぷりと味わってもらいながら殺す予定だったからな、貴様の登場は或いは嬉しい誤算だったようだ」
「っ! 舐めないで!!」
「無駄だ、もう判っているだろう、無防備なこの私の背中に攻撃を当てたのにダメージが通っていない事実が何を意味しているのかを」
「くッ……!!」
「惣造も行動不能、そしてお前も取るに足らない実力……。これは、楽しめそうだな」
舌なめずりをしながら迫るラガール。その背後に人影があった。
「や……めろ」
「くっくっく、さぁ どう痛めつけてやろうか? 惣造の前で嬲るのもよし、犯すのもよし」
「やめろ……」
「おお、よくよく見てみるとアスマーゼ程ではないが美しいお嬢さんじゃないか」
「やめろ」
「たっぷりと時間をかけて楽しんでやろう」
「やめろぉぉぉ!!!!」
地平線の果てにまで届きそうな怒号。
ユーリは、剣を引き抜いて素早くラガールの隙だらけの胴を薙いだ。本来であれば、胴体が真っ二つになり、絶命することは必至。だが……、それは無かった。
「さぁ……良い悲鳴を上げてくれよ?」
ラガールは健在であり、リサーナへと迫っていたのだ。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
何度も何度も剣を振るうがまるで効果が無い。自分では手が出せない。助けれない。まるで、地獄の映像を見せられているようだった。
「そ、そんな……、なんで? いったいなにが……」
志津香も、訳が判らず、立ち尽く
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