暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第24話 真実を掴む為に
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「それに、借りが大きくなってくれば……、ユーリさんを迎え入れたいって思ってるんだけどね? 実は」
「その点は悪いな。さっきも言ったが軍の中で亀裂が生まれるぞ? 素性もそうだが、目だった功績も王国内では無いオレがいきなり上に立つと」
「それをふまえても、優秀な人材が欲しいのが正直な話なんで、リーザスの軍は将軍より以下の戦力が極端に落ちてるので」
「丁度世代交代の時期でもあるのです。それは各国の猛者も同様で。……頭一つ抜けた人材は喉から手が出るほど欲しいものなのです」
「……」

 リアとマリスの発言に複雑な表情を浮かべるかなみ。
 各国の名立たる猛者、それをユーリも知らないわけではない。そして確かに歳老いている者も多い。世代交代の時期と言うのは各国共通だろう。そして情報戦も水面下で行われているのだとも思える。

「贔屓目には出来るかもしれないが、当分は予定にないと思ってくれないか? それじゃあ、オレもそろそろ行く。まだ 仕事は終わってないのでな」
「はい。お気を付けて。ユーリさんには何もお持ちできずに申し訳ありません」
「いや、貰ってる」

 マリスの言葉にユーリは首を振った。

「さっきの条件を飲んでくれたのもそうだ。それに、あの武器防具でランスの戦力も上がった。……申し分ない程だよ」
「で、でも……」
「それにな」

 ユーリは俯かせたかなみの頭を軽く叩いた。

「目的はランスだとは思うが、それでもこんな激励。冒険者であるオレにはあまり無い事だ。この事だけでも気合が入るってもの。後、目標って言ってくれてるヤツの前で情けないことは出来ないし、言えないからな」
「あ/// ま、待ってください!」

 かなみは、急いで懐から、一振りの短刀を取り出した。

「こ、これ……ユーリさんにはきっと、不必要だって思いますけど、な、何かの役に立ててもらえれば……そ、その、わ、わたし……の」

 かなみは必至に言おう言おうとするが、言葉が上手く言えないようだ。
 リアがランスに言ったように……『自分の事だと思って、自分の代わりに連れて行って』といいたかったんだけど。そこまで大胆にはなれなかった。

 ユーリは、差し出された刀を見て、呟く。


「……リーザスの王女の側近、忠臣を目指す者の一振りの短刀。心強い事この上ない。心身ともに支援を頂いた。……ありがとう。大事に使わせてもらうよ」

 そう笑顔で言い、ユーリは酒場から出て行った。

 その姿を見送る3人。リアもマリスも再び政治家の顔に戻すと呟く。

「あの男が人見知り? ダーリンが言うようにとてもそうは見えないわね。……キースギルドか、あの小規模ギルドに置いておくには本当に惜しい人材だわ。……圧力をかけて……、は無理か。自由都市圏内のギル
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