第2章 反逆の少女たち
第24話 真実を掴む為に
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「い、いえ……ユーリさんは先に行くと言ってましたが……」
「なら、何故言わんのだ!? この、こうしてくれる!」
「ひんひん……痛いです、ランス様……」
言ったけど聞いてくれなかった、とシィルは思っていたが、もれなくゲンコツが再び落ちてきそうだった為、口を閉じた。だが、シィルは疑問に思う事もある。こんな安易に単独行動をどうして、ユーリがとるか判らなかったのだ。
「(以前も……ランス様が他の人と……その時も待っていたのに、今回は……)」
「ええぃ!ユーリめ!志津香の処女はオレ様のものだぞ!抜け駆けするつもりか!!」
ランスは、急ぎ足で目の前にある巨大な屋敷まで進んでいた。シィルもその後に続き、目の前にまで到着した。
「あ、駄目です。鍵がかかっていて開きません。ですから、ここにはユーリさんは着ていないと思いますが」
「なにぃ!? ここは志津香の屋敷だろう! そんな鍵など、オレ様がぶっ壊してくれるわ!!」
ランスは、扉の鍵を目掛けて剣を振り下ろすが、簡単に弾かれてしまい、傷一つ残っていない。その扉自体も同じようで、全く傷が残らない。扉のガラス部分でさえ割れないのだ。
「なんなのだ!! ここは!」
「これ、結界が張ってます。間違いないです」
「ええぃ! それを早く言わないか! 無駄に体力を使ったではないか!」
「ひんひん……すみません、ランス様」
「シィル、他に出入り口が無いか調べるのだ!」
ランスがシィルにそう指示を飛ばすが、周囲にある入れそうな場所は全て入ることが出来ない。全体に結界がかかっているようだ。
「ぐぅむ……」
「ユーリさんはココじゃない場所にいったんじゃないですか?」
「いーや、アイツはここの筈だ。どーせ、オレ様がヤっているのを見てムラムラきてしまったのだ!むっつりガキだから、言葉に出来ずこうして抜け駆けの形をとるしかなかったのだろう!」
「そんな……ユーリさんに限ってそれは……」
ランスの言葉を信じられないシィルだった。これまでの姿を見ているからこそだ。だから……十中八九 何かがあったと考える方が妥当だろう。
「君達はさっきの男の仲間なのかい?」
その時だった。後ろから声が掛けられたのだ。慌てて振り返ってみればそこには男が立っていた。鎧も着てる、剣も持っているなのに一切強そうには見えない。なぜなら、もやしの様にやせ細っているから。
「何なのだ? 貴様は」
「これは失礼した。私は風の戦士、シィルフィード。この層を支配している志津香様の部下だ」
「そうかそうか、男は邪魔だ。そこをどけ」
「私はシィルです。よく似た名前同士、よろしくね」
「ああ、こちらこそ」
「おいコラ! 紛らわしい名前しやがって、オレ様の奴隷と似たような名前にするんじゃない
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